~血統ウェーヴ~

直系統に囚われない血統解釈で競馬の本質に迫る

【セントライト記念】◎リオンリオン

新潟開催だった'14年を除く過去5年の当レースの勝ち馬の父は、

スクリーンヒーロー

トーセンホマレボシ

ディープインパクト

ブラックタイド

シンボリクリスエスと、全て別々の種牡馬だ。

しかし、そこからさらに遡った過去4年ではステイゴールド産駒3勝している。

グランプリレースに強いイメージの種牡馬であるから今更驚くことではないが、重要なのはそのイメージを作った産駒たちが、種牡馬としてのキャリアの前半に偏っていることだ。ステイゴールド産駒のクラシックホースは2009年産のゴールドシップを最後に、繁殖の質と数が上がり期待されたその後の6世代からはとうとう出なかった。これは往年のブライアンズタイム産駒にも通じて、若くて活力に溢れたキャリアに代表産駒が偏る。

いまや血統は馬券検討の重要なファクターとなって、当レースに関しても「ロベルト持ち」に着目している予想家も多いだろう。だが「血統ウェーヴ」では見解は少し異なる。

 

<ポスト・ステイゴールドとして期待の活力に溢れた種牡馬

これを見つければ、今回は細かい血統分析などは不要だ。

ずばり、ルーラーシップに期待する。根拠は以下のとおりだ。

 
①生産年が13年周期で重なる。

ステイゴールド(1994)

ルーラーシップ(2007)=1994+13

種牡馬の大半はその血統や自身の現役時代の成績のイメージと産駒の傾向は直結しないが、13年周期による生産年に着目すると腑に落ちるところは多い...と書いている今

 
キセキ (父ルーラーシップ)、
フォア賞3着(4頭立て)
スミヨン騎手「馬場は重いほうがいい」

 

期待していただけに少しショックだが、古馬になってからは国内でも勝ちきれていないのだからオルフェーヴルナカヤマフェスタと並べて考えてはいけなかったか。そもそも同じステイゴールド産駒でもゴールドシップはロンシャンが合わなかった

戻ろう。

2007年/13年周期種牡馬ではレインボークエス(1981)が日本で走った数少ない産駒から有馬記念を勝ったサクラローレルを出している。

②国内G1勝ちが無い

ステイゴールドルーラーシップも国内でのG1は勝ち切れなかったが、初年度産駒からG1馬を輩出した。欧州における大種牡馬サドラーズウェルズ(1981)も決して自身の競走成績が突出していたわけではない。2007年/13年周期産の種牡馬には自身の競走成績を超える繁殖能力を備えている「大当たりの種牡馬」が稀にいるようだ。そしてその産駒は欧州のようなタフな芝や国内ならグランプリレースに向く傾向がある。

 

◎リオンリオン/父ルーラーシップ

ここまで書いたが正直なところ、ルーラーシップが「大当たりの種牡馬」とまでは考えていないし、オルフェーヴルのような3冠馬が出るとも思っていない。あくまでも、今後増えてくるキングカメハメハ種牡馬のキャラクターの色付けとしてのステイゴールドとの相似性だ。グランプリレースのハードルは高いが、ここでは混戦を断つことに期待する。