~血統ウェーヴ~

直系統に囚われない血統解釈で競馬の本質に迫る

【無観客競馬】サラブレッドの「父に似ない」遺伝法則を考える

サラブレッドの適性や特徴が産駒にストレートに遺伝するならば、血統研究家など必要ない。実際には、いろいろな複雑な要素が絡み合っているか、はたまた単なる神の匙加減かといった具合に父に似ない。産駒の無観客適性の高さが確定的なロードカナロアオルフェーヴルは現役時代、より観客数の多い大レースで遺憾なく能力を発揮していたではないか...

 

ならば、父の現役時代の適性や特徴が産駒にどう変化して遺伝するのかを考えてみよう、というのが「血統ウェーヴ」の真髄だ。

 

まず、サラブレッドの適性や特徴は、その生産年によって偏りが見られる。生産年を周期で捉えてデータにすれば一目瞭然だ。(これは素数ゼミの性質からヒントを得た)

当ブログでは頻出の、

 

ノーザンF生産馬/現4歳馬/マイル戦休み明け

 

というブラックホール級の最強消しデータは、

過去18年遡った芝マイル重賞における、現4歳と3年周期に当たる世代馬という条件でデータを抽出しても浮き彫りになる。要するに、ノーザンFの生産・育成が大きく変化しない限りは、今年の1歳馬が将来休み明けのマイル戦でことごとく人気を裏切ることが予測できるのだ。

 

(中略)

(ここから飛躍します...)

 

生産年によって適性や特徴に偏りが見られるならば、サラブレッドの血統は強引に生産年に置き換えることができる。(強引すぎるぞ)

13年周期に着目すれば、13個の数字と座標のみで血統を表すことができるのだ。

 

一気に飛躍してしまったので、ディープインパクト(2002)を例に考えてみよう。

2002年産13年周期を分析すると牝馬の活躍が目立ち、繁殖成績も優れるという傾向が掴める。ディープ世代の牡馬は不作で、(ディープ以外の)3冠レース出走馬から中央芝G1の勝ち馬はとうとうでなかった。

 

その13年後2015年産においても近い状況だ。

 

牝馬のアーモンドアイが年度代表馬になり、ラッキーライラックが牡馬相手の大阪杯を勝ちきった。牡馬は菊花賞に間に合ったフィエールマンこそ得意の京都で勝ち星を重ねたが、やはり大レースにおいては全体的に物足りない印象だ。

 

加えて、2002年産13年周期の馬には休み明け初戦よりも2戦目の変わり身を期待できる。ディープの凱旋門賞は現地で前哨戦を叩いていたら結果は違っていたと確信しているが、後に失格処分になったのだから1着入線していたらと考えるだけでゾッとする。

しかしながら、以前にも書いた通りその2002年産種牡馬の産駒には休み明けを得意とする馬が目立つのだから遺伝は分からない。休み明けを得意とする特徴が偏るのは、2004年産13年周期なのだ。

 

20022004

 

これがサラブレッドの「父に似ない」遺伝法則の一つだ。

(もちろん仮説だよ..)

 

・・・

だから...deepな記事になるんだって...

 

こんな具合に、もう10年以上、いくつもの遺伝法則を定義して実際に馬券を買い続けてきた。

 

そして、幸運なことに、今も続けられているのだ。

 

さあ、

ここまで読んでくれた方に

儲け話といこうか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

NHKマイルカップ

1着ラウダシオン   父リアルインパクト2008

3着ギルデッドミラー 父オルフェーヴル 2008

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

この2頭の種牡馬は、2週間前の記事でピックアップしている。

ロードカナロア産駒といい、2008年産種牡馬の産駒の無観客適性は相当高そうだ。

 

しかし、これでは終わらない。

以下は、「血統ウェーヴ」における遺伝法則の定義だ。

 

20082002

 

無観客適性が13年周期の生産年で表せるのならば、現5歳馬(2002+13=2015)の台頭もあるはずだ。

 

ーーーー データのレシピ ーーーーー

<無観客>直近11週分

<観客有>無観客以前の直近11週分

 

□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬

 □好走データは、

 ・2・3歳限定戦の2着以内(3歳未勝利戦を除く)、

 ・特別戦(重賞含む)の2着以内

 ・平場戦は2勝クラス以上の1着(2番人気以下)のみを集計。

□凡走データは、3歳未勝利戦を除く全レースの、

 ・1番人気で3着以下、

 ・2番人気で4着以下、

 ・3番人気で6着以下、

 ・4・5番人気で8着以下、を集計。

 

好走データ/凡走データの比率(延べ頭数)は約1:2

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

【現5歳世代】

1600m以上

ーーーーーーーーーーーー

■牡馬■

<無観客>

☆好走データ ・・ 23頭

▼凡走データ ・・ 25頭 

<観客有>

☆好走データ ・・ 11頭

▼凡走データ ・・ 29頭

ーーーーーーーーーーーー

これは!...

明暗くっきり。

トーセンスーリヤ、美味しかったな...

 

そもそも、日本のダートコースは芝コースの内側にあって観客から遠いのだから、無観客による影響はレースのほうが大きい。さらに短距離戦は観客から離れたゲートからスタートして先行争いが激化、大勢が決まることも多いのだから、同じく中長距離戦と比較すれば影響が小さいと推測できる。やはり、無観客の影響は普通ならパドックからして雰囲気の異なる大レースほど影響が大きく、ラストの直線で決め手比べになる芝マイル以上のレースも同様だろう。

 

さすがにベタ買いして儲かるとは言わないが、3連系の紐に

人気薄の「2008年産種牡馬の産駒」「5歳牡馬」を加えてみてはいかが?