~血統ウェーヴ~

直系統に囚われない血統解釈で競馬の本質に迫る

【ローズS】◎ウィクトーリア

ヴィクトワールピサ産駒の今年の芝レース勝ち鞍32勝のうち、実に半数以上の18勝開催3日目までに挙げたものだ。

この傾向が最近特に目立つようになった背景には、管理する陣営側がこの産駒の特徴を掴んでレースを選択していることもあるのだろう。休み明けに強いディープ産駒をトライアルをパスして大レースに挑ませ、結果を出したノーザン軍団にも通じる。

しかし、不思議なデータもある。ヴィクトワールピサ産駒は新馬にも強く、これまでに2015年の産駒デビューから芝レースでは計24勝挙げているが、新馬戦に限れば開幕週による勝利はたったの2勝なのだ。

この謎を解く鍵は、この産駒に新馬勝ちが多い割りに、休み明けが得意なわけではないという傾向だ。恐らく新馬特有の緩い流れに適性が高く、逆に自身が休み明けでフレッシュな状態でも、レースを使い込んでテンションの上がった他馬と走るのが苦手なのだろう。開幕週のレースはその条件を狙い澄ました休み明けの馬の出走が重なるケースも多いから、新馬戦に強い血統が活躍するのも必然で、少頭数ならなおさらだ。

◎ウィクトーリア/ヴィクトワールピサ

ここは有力馬が自身も含めてオークスから直行のトライアルレースで展開が向く。新馬戦圧勝と開幕週のフローラS勝ちの実績に加えて、調整も栗東滞在なら迷わず本命。当日大幅馬体減でもなければ信頼性は高い。ここでトライアル2冠目と見た。

○シゲルピンクダイヤ/ダイワメジャー

実はスイープセレリタスを狙いたかったが大外枠に入ってしまった。2001年産種牡馬の産駒で奇数番枠で連勝してきた馬をこの枠で買いたくない。シャドウディーヴァも同様だ。シゲルピンクダイヤの父も2001年産のダイワメジャーで今回偶数番枠に入ったが、当馬はチューリップ賞2着が大外枠桜花賞2着16番枠だから別の血統解釈が必要だろう。

ダイワメジャーサッカーボーイダンスインザダークエンドスウィープと同じく「母父父にノーザンダンサーを持つ種牡馬であるから、マイラー血統のイメージとは裏腹に距離延長で台頭してもおかしくはない。特にダンスインザダーク産駒などは菊花賞には滅法強いが天皇賞春は苦手など単純に距離の長短では語れない難儀な種牡馬だった。決して順調ではなかった状態で春のクラシックを賑わせた素質馬の距離適性を、オークスの一度の敗戦では見限りたくない。本番の秋華賞を含めて注目だ。