~血統ウェーヴ~

直系統に囚われない血統解釈で競馬の本質に迫る

【紫苑S】◎パッシングスルー

ハービンジャールーラーシップには中山芝重賞におけるポスト・ステイゴールドとしての種牡馬の期待が高まるが、

そのステイゴールド産駒の大物は牡馬に偏り、牝馬のG1勝ちはマイル戦の2勝に留まる。2年前の当レースで2着したカリビアンゴールド(父ステイゴールド)もその後距離短縮でパフォーマンスを上げているように、牝馬限定2000m戦のましてやトライアルレースでは、この血統馬において中長距離実績のある牡馬を彷彿とさせる馬よりも、牝馬らしい切れ味を備えた馬が性能の高さで凌駕すると見た。

◎パッシングスルー/ルーラーシップ

後の重賞勝ち馬ワイドファラオを鋭く差し切った新馬戦を高く評価。カレンブーケドールには実績で劣るが、臨戦過程と適性を考えれば負けられない1戦で力が入る。

◯ローズテソーロ/ハーツクライ

ステイゴールド産駒とは対照的に、ディープインパクトハーツクライの産駒の大物牝馬は中長距離路線でも牡馬顔負けで、距離短縮のスピード決着にも対応可能だ。ならば未勝利戦の芝2400mを評判馬相手に快勝した当馬のポテンシャルは侮れない。ミモザ賞は成長途上で馬場不向き、フローラSの惨敗は馬体重-18キロと明白だから、今回が本当の試金石かもしれない。ハービンジャー産駒以外では唯一当レースに抜群の相性のニールガウ(1/4)の波を母父内ダンジグ媒介により備えて警戒したい。