~血統ウェーヴ~

直系統に囚われない血統解釈で競馬の本質に迫る

【札幌2歳S】◎ユーバーレーベン

昨年に続いて、札幌記念では現5歳世代ハービンジャー産駒が勝った。

(19年、ブラストワンピース/20年、ノームコア)

そのハービンジャー産駒は今年の札幌芝コースで既に7勝を挙げているが、その世代別の内訳はこうだ。

 

7歳世代・・0頭

6歳世代・・0頭

5歳世代・・3頭

4歳世代・・0頭

3歳世代・・2頭

2歳世代・・2頭

 

3年周期による生産年の波に着目すれば、今年の2歳世代のハービンジャー産駒から札幌芝の鬼が出現することは想像に難くない。

・・・

と言った所で、札幌2歳Sにハービンジャー産駒は出てまへん。ほな、さいなら。

 

(ここから先はかなり深い。お子チャマはいつまでもダビスタの延長の血統○○○でも読んでいればいいのさ...)

 

 

「ハービンがいなけりゃゴルシを買えばいいのよ」

パンが無ければ...

 

 

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サラブレッドは父に似ない。しかし、直系統のみが尊ばれる。

何故だろう。

 

そう言う私も、競馬にのめりこんだきっかけは中学生の時に出会ったダビスタである。

それから膨大な時間を血統研究に費やし、「血統とは波だ」という独自の解釈に到った。これが遺伝の本質を捉えているという確信があるから、現実とは程遠いゲームなどには全く興味が無くなってしまったのだ。

 

例えば、当ブログでは頻出のニールガウを考えてみよう。

この祖先馬を血統表の9代祖先や、13代祖先などの1+4代周期に持つと、充実期に好走が続く印象が強い。最近ではリスグラシューがその典型であり、充実期はコース・枠順・展開なども不問だから、よくある平均化された回収率データなどでは好走条件が読み取れない。

 

そのニールガウ(1/4)を、ハービンジャー産駒は持つのだが、さて、ここでゴールドシップである。

 

ハービンジャー

母父父父シーバード

    母父シカンブル

 

ゴールドシップ

母母父母母父シカンブル

 

シカンブルがニールガウの媒介馬であり、両者の丁度6代祖先に当たる。

(ちなみに、オルフェーヴルにはこの共通波は無い。スライリー、ごめん)

 

と、まあ長々と書いてみてもゴルシ産駒は昨年ワンツーだし、大挙5頭出走なのだから、にっちもさっちも行かない。

おまけに眠くなってもきたので、早速結論です!

 

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◎ユーバーレーベン

まず、ゴルシ産駒最上位でしょう。札幌芝は...シメシメ

 

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○ウイングリュック

コスモフォーチュン

 母母母母父父シカンブル

 

対抗はあえてゴルシ産駒では無く、母内に共通波を持つ当馬だ。

函館の未勝利戦を圧勝しているが、札幌で更にパフォーマンスを上げてもおかしくない。

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この2頭で堅いと思っているのだが、現時点で馬連が40倍近くつく。

どうやら、お客さんが来てくれたらしい。

 

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バスラットレオン

母母父ケープクロス

   母母父父父テューダーミンストレル

 

テューダー波(2/3)はヴィクトワールピサ産駒に象徴される「開幕週血統」。

最終週でも好走したら大物だと潔く認めるよ。

 

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ソダシ

クロフネ

 母母父アイスカペイド

 

函館記念のアドマイヤジャスタ(父母父父アイスカペイド)を筆頭に今年の函館芝で好走が目立っていたから、新馬戦のパフォーマンスによる過大評価は禁物だろう。

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疲れたわい。

外れたら、明日も書かな...

【新潟2歳S】◎セイウンダイモス

土曜新潟5R新馬戦、6番人気のモメントグスタールに本命を打った。

 

「打った」というのは、POG-INFOさん(以下敬称略)の予想シミュレーション機能においてだ。後から知ったことだが、このレースでは私を含めて3人が予想を送信していて、3人とも◎が被っていたらしい。他の予想メンバーとの面識などはもちろん無いが、皆、「みんなと同じ予想をするなら競馬をやっている意味がない」と言わんばかりの天邪鬼体質であるに違いないから(失礼!)、珍しいこともあるものだ。

 

そのモメントグスタールが、見事に新馬勝ちしてくれたのである。

 

私は普段から新聞を買わない。

厩舎コメントや調教評価なども一切見ないから、新馬の予想では特に血統頼みになる。

前回の記事でも一部触れたが、新馬戦ではまず父父か母父に1995年産/13年周期種牡馬を持つ馬か、ディープインパクトに代表される2002年産種牡馬の産駒、さらに、プリンスキロを5代祖先に持つ馬をチェックする。後に「新馬戦がベストパフォーマンスだった」と評価されるような条件馬に多く見られる印象の血統要素であるからだ。

 

土曜新潟5Rで言えば、父、母父のみに着目してこれに該当するのは2頭のみだった。

 

モメントグスタール

母父シンボリクリスエス

  父クリスエス

   母父プリンスキロ

 

スペシャトーク

父父スペシャルウィーク1995

 

と、ここまでは出馬表を見渡して10秒足らずの作業である。

競馬予想は将棋やチェスと同じ「頭脳ゲーム」だ。ここから大体5分~10分程度の思考に入る。必要ならば母母父以下、13代祖先まで遡って血統を確認することもある。

・・・

土曜の前半のレースはまだ当週の血統傾向なども掴めていないから、やはり「プリンスキロの5」が決め手となった。

 

 

さて、もう夜も深い。新潟2歳Sの予想だ。

 

まず、新馬戦の勝ち馬で前出の血統要素を備える馬をバッサリ切ってしまおう。

 

 

シュヴァリエローズ

ディープインパクト2002

 

ロードマックス

ディープインパクト2002

 

ブルーシンフォニー

父父グラスワンダー1995

 

ブルーバード

父父スペシャルウィーク1995

 

 

残った人気馬はフラーズダルムジェットアクション、まあこの2頭で決まりでしょう。では、この辺で...

 

 

えっ、セイウンダイモス

 

自作の生産者別データでは、

現2歳世代/3年周期の、マイル戦/距離延長ローテ

の好走実績は遅生まれの馬の割合が高く、適性距離の守備範囲も広い傾向を認められる。(かなり遡るが、安田記念1着のブラックホークマイルCS3着のギャラントアローがこのパターンでレース前は空気だったと記憶している)

 

5月生まれで前走芝1200m未勝利戦の勝ちっぷりが強かった◎セイウンダイモスが好走しても全く驚かない。

【新潟12R(1勝クラス)/5R(新馬)】ニシノウララは3度あるか?

後に語り継がれるような名馬でも、デビュー戦で敗れているケースは珍しくない。

 

その一方で、「新馬戦がベストパフォーマンスだった」と評価される条件馬も古今東西、数多く存在する。2・3歳時のアーモンドアイに唯一土をつけたニシノウララがその典型だ。

 

 

ニシノウララ

リーチザクラウン

父父スペシャルウィーク

 

夏の新潟芝1400mが舞台の新馬戦、デビュー前から評判が高く単勝オッズ1.3倍の支持を集めたアーモンドアイが最後の直線で猛追するも、先行策から抜け出して後の女王に2馬身差の完勝だった。3着馬はさらに4馬身離れているのだから、アーモンドが踏み遅れたというよりもニシノウララが想像以上に走ったという見解が正しいだろう。

 

 

新潟芝1400mといえば近年重賞の施行も無くマイナーな印象は拭えない。

このコースを予想していると、頭のどこかにニシノウララがいる。

 

幸運なことに、昨日もそうだった。

 

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※、印はPOG-INFO送信

【土曜新潟4R/3歳未勝利】

1着ヴェルザスカ(13番人気)/初出走

   母父スペシャルウィーク

 

【土曜新潟9R/ダリア賞

1着ブルーバード(5番人気)/2戦目

   父リーチザクラウン

   父父スペシャルウィーク

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さすがにもうないとは思うが、日曜新潟にもこの激走条件を見事に満たしてしまっている馬がいるから、触れておこう。(たまにはブログ更新もせにゃ...)

 

【日曜新潟12R】

?着?チュウワジョーダン(?番人気)/休み明け

   母父スペシャルウィーク

 

13年周期の生産年による血統分析では、スペシャルウィークグラスワンダーなどの1995年産種牡馬を祖父に持つと「フレッシュな状態」で好走しやすいという印象を得ることができる。繁殖成績がイマイチなブエナビスタの産駒も新馬戦だけは走る(あくまでも印象です)。

 

さてこれを踏まえると、日曜新潟ではもう一頭気になる馬がいる。

 

【5R/新馬

ラカン

母父インディアンチャーリー(1995)

 

距離は2000mだが、1400mと同じ内回りコースだ。

新潟・札幌の2場開催の為、人気は関西の素質馬に集中しそうである。

 

さて、

ニシノウララは今週3度あるのだろうか?

【函館記念】◎トーラスジェミニ

現在のところ、今年の2歳戦の話題は前評判の高かったモーリス産駒の低調ぶりに尽きる。

 

そのモーリス産駒の今後の成功パターンのモデルとして着目している馬が函館記念に出走するから記事にしておこう。

 

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トーラスジェミニ

/母母母父リボー

 

本馬は2歳7月の芝1800m戦で15頭立ての15番人気でデビュー、9着に走った後の2戦目も16頭立ての16番人気だから、余程稽古の動きが目立っていなかったのだろう。

しかしながら、そこは名馬リボーの血を4代祖先に持つ血統馬、ここからが違う。

3戦目にペースの緩まない芝のマイル戦を経験し、再び距離延長で挑んだ叩き4戦目、単勝オッズ75.3倍の人気薄にも関わらず先行策から横綱相撲で押し切る。

その後もクラスが上がる度に2~3戦揉まれて着実に力をつけながら1着をもぎ取り、とうとう重賞で人気の一角に支持されるところまできた。

 

「実戦を叩かれて調子を上げる」

これは、3冠馬ナリタブライアンなど数多の活躍馬を輩出した往年の大種牡馬ブライアンズタイム産駒の傾向と酷似している。

 

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ブライアンズタイム産駒

/父母父父リボー

 

ナリタブライアン皐月賞・ダービーと圧倒的な強さを見せて夏休みを挟んだ菊花賞トライアルの京都新聞杯単勝1.0倍の圧倒的支持を受けながら3番人気のスターマンに足元をすくわれる形で2着に敗れた。そもそも、当馬は新馬戦でも2着に敗れている。日本競馬史上7頭いる牡馬クラシック3冠馬のうちデビュー戦で敗れたのは、ブライアンズタイムの最高傑作であるナリタブライアンだけだ。

 

 

重なるではないか... 

評判のモーリス産駒の新馬戦に。

 

 

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モーリス産駒

/父父父グラスワンダー

 

    グラスワンダー

    /母母父父リボー

 

ナリタブライアンは牡馬クラシック3冠の他に、2歳G1の朝日杯と3歳時の有馬記念を勝っているが、これ以降、この両レースを共に制したのはグラスワンダーのみである。リボーの血が3代周期の隔世遺伝で作用していることは、当ブログでは何度も書いているから今回は省く。

 

ズバッと言えば、モーリス産駒はレース間隔を空けて外厩で仕上げるノーザンFのやり方は合わない。産駒初勝利が非ノーザンだったのも半ば必然で、初重賞も実戦を叩かれて着実に力を付けた日高産馬となる可能性は高い。カイザーノヴァが3冠馬になる可能性だってゼロではない。

 

 

さて、話を函館記念に戻そう。

過去にブライアンズタイム産駒で函館記念を制した馬はいないが、条件の似ている皐月賞の勝ち馬を4頭も輩出しているのだから、トーラスジェミニの舞台適性は高いと見ていい。この血統群の最大の武器は心肺機能の高さだから、元来がスローの瞬発力勝負には向かず、人気馬を疑うなら新馬やペースの上がらない広々コースだ。

 

さらに、数奇な巡り合わせもある。

 

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1998年函館記念

1着パルブライト

/父母父父リボー

 

パルブライトは地方所属で大井競馬場でデビュー、6頭立ての6番人気だった。

初勝利は7戦目で、この地点で中央重賞に手が届くと予想できた人間が何人いただろうか。そして、このタフネス牝馬で22年前の函館記念を制した主戦騎手は、何を隠そう、明日トーラスジェミニに騎乗する木幡育也騎手の父・木幡初広元騎手である。

遺伝の研究

私は、十数年前から血統研究に3年周期と13年周期の生産年という概念を取り入れている。遺伝現象の不思議には「時間」が深く関係していると直感しているからだ。

 

前回の記事に書いた「早生まれ」「遅生まれ」に着目したデータ分析も、3年周期の生産年によって更に踏み込むことで鋭く尖る。

既述の通り、全体像としてのサラブレッドは「遅生まれ」であるほどアスリートとして優れるという傾向はもはや疑いようが無い。

しかしながら、それが最も顕著なのは現4歳世代/3年周期であって、

現2歳世代/3年周期では「早生まれ」と「遅生まれ」による成績差は認められない。

 

安心して下さい・・

今年の2歳の「早生まれ」は走ります!

 

・・

勿論、コース・距離・ローテ別にもそれぞれ傾向がある訳で...

 

 

・・もう、眠いな...

 

・・・

 

・・・

 

 

△■○△■○△■○△■○△■○△

 

「宇宙は虚数時間から生まれた」

ホーキング博士の言葉だ。

 

実は偶然にも、血統研究を長年続けてきた私もそこへ辿り着いてしまったのだ。

 

とは言え、ホーキング博士の提唱と私の血統観がシンクロしている訳ではない。

(当たり前だ!)

 

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紙の上に、一本の直線を引いてみる。

それをどんどん伸ばしていく、

どこまでも。

地球を一周したら、直線は円になる。

私たちの認識している直線とは、円を微分したものに過ぎないのだ。

 

時間もそうなのではないか?

過去と未来が一直線上にあると認識しているのは人間だけであって、

本質はクルクル廻る時間の一瞬を生きているのではないか?

逆に、遺伝現象というミクロな世界では、相対的に一分一秒という時間が物凄く大きくなって、周期的な(円周上の)時間がそのミステリー性に関与しているのではないか?

 

などと、独りグルグルと思いを巡らせているうちに、ふと「虚数時間」という概念を思い付き、早速ネットで検索してみたら冒頭のホーキング博士の言葉にヒットしたというわけだ。

 

虚数複素数)というのは、実数のように直線上に並んでおらず、それぞれが角度を持っている。複素数平面上では、複素数の掛け算は角度の足し算で表せる。

実数の世界では、同じものを3回掛け合わせて「1」となるのは「1」だけだが、複素数の世界では単位円上を3分割する120度と240度の点を含めて3つあるのだ。

 

「3回掛け合わせると元に戻る」

これは、名馬リボーの血を引く繁殖馬による隔世遺伝の現象そのものではないか。

 

サラブレッドの配合は、ディープインパクト×母父ストームキャットのように掛け算として表現される。

「掛け合わせ」という表現は穀物や野菜の品種改良においても同じだ。

 

遺伝や繁殖の本質が「掛け合わせによる回転」で周期的な現象であることを昔から人類は直感しているのかもしれない。

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△■○△■○△■○△■○△■○△

 

 

・・・

・・ん、寝てしまったかな...

 

今週末、予想記事を書ければ。

ノーザンF生産馬に1・2月生まれの多い不思議

厳寒期にては母親の胎内、または土の中で眠り、

4月、暖かい日差しの恩恵を受けて青々と茂った草木のもとに生物が誕生するのは、より強く、逞しく育つ為の自然界の摂理であり、馬とて例外ではない。

 

しかしながら、サラブレッドは経済動物である。

1度目の種付けの時期が遅くなればなるほど、不受胎時に再び種付けを試みることが難しくなるのは自明だ。早期育成によりクラシック競走を目指すというのは建前であって、大牧場に1・2月生まれが多いのは、意図せぬ空胎を作らない為の「生産性向上」を重視した結果であろう。

 

2020年の春のクラシック競走が、それを象徴している。

 

コントレイル   4月1日生まれ

デアリングタクト 4月15日生まれ

 

ラヴ(海外)   4月13日生まれ

 

 

さて、この記事を書くために、5000件以上の自作の生産者別データに「誕生日」の項目を加えた。一件ずつ調べて手入力したので大変だった。デアリングタクトが2月生まれだったら諦めていただろう。

 

全ての入力を終えてデータを分析したところ、想像していた通りの結果が出た。

 

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【生産者別データ】5356頭(延べ)

(ベース) 集計期間=昨秋~3週前までの好走/凡走データ

(追加)  3月~8月施行重賞の好走データ(過去18年分)、他

 

好走/凡走の比率は約3:2

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全データを4等分して、最も早い生まれのグループを「早生まれ」、最も遅い生まれのグループを「遅生まれ」、その間を「標準」と分類。

早:標準:遅=約1:2:1

 

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<生産者問わず>

■■早生まれ■■

※1/1から2/21まで

好走データ ・・ 608頭

凡走データ ・・ 724頭

 

■■標準■■

※2/22から4/15まで

好走データ ・・ 1568頭

凡走データ ・・ 1102頭

 

■■遅生まれ■■

※4/16以降

好走データ ・・ 854頭

凡走データ ・・ 500頭

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明白だ。

遅生まれほど好走データの割合が高まる傾向は、データをノーザンF生産馬に絞っても(緩やかになるものの)変わらない。

サラブレッドの生産をビジネスとしている大牧場が早期種付けを推進するのは戦略として当然だろう。と同時に、これらの本質を捉えぬまま、馬券やPOGで勝とうと意気込むことが滑稽に思えてきた。

 

 

「ウチは餌をあげてただけ」と謙遜する2冠牝馬の生産者。

生まれて間もなく、

太陽の恵みの下、のびのびと、青々と茂った草を食べ逞しく育った牝馬が、

 

厳寒期に生まれ、

英才教育を施された良血馬がひしめく馬群をこじ開ける。

 

 

だから競馬は面白い。

【阪神5R/伝説の新馬戦】◎ダノンザキッド

1着アンライバルド (皐月賞馬)

2着リーチザクラウン(ダービー2着)

3着ブエナビスタ  (桜花賞オークス・・)

4着スリーロールス (菊花賞馬)

 

2008年菊花賞当日の芝1800m新馬戦だ。

菊花賞当日といえばその翌年も1着ローズキングダム(ダービー2着)、2着ヴィクトワールピサ皐月賞)、最近では2年前の1着ワールドプレミア(菊花賞)、2着メイショウテンゲン弥生賞)が記憶に新しい。

この背景として、大レース当日で有力騎手が一つの競馬場に集まり素質馬がかち合うこと、紛れの少ない広いコースの芝1800m戦であること、クラシックから逆算して施行時期が適していることが挙げられる。

 

さて、今年も皐月賞は3歳初戦のローテで挑んだコントレイルが勝った。

それどころか、2着も3歳初戦のサリオスだ。

ここ数年でクラシックロードの王道ローテは確実に変化して、賞金加算は早いに越したことは無い。ならば、必然的に今後の「伝説の新馬戦」のトレンドは宝塚記念当日の芝1800m戦に移るのだ。このレースから未来の重賞勝ち馬が出ることは想像に難くない。

 

実際、このレースの出走馬の内10頭くらいは勝ち上がれると思うよ...

 

さあ、1番人気はモーリス産駒のテンバガーかな?

早速断言しておくが、モーリス産駒は叩き良化型だよ。

評判馬の初戦2着が目立っているけど、全然問題ないどころか大一番に強い血統群の宿命だから成功は約束されている。要するに、一昔前のブライアンズタイム産駒と考えればいいリボーの3代周期による隔世遺伝)叩き3戦目単勝万馬券を演出とか目に見えてるな。基本的には新馬戦特有の瞬発力勝負は向かない。重馬場はどんと来いだろう。

ただし重馬場なら、もう1頭のモーリス産駒のダンツテリオスの方が気になる。そもそもノーザンFの育成は芝の瞬発力勝負に特化しているから(だから凱旋門賞勝てない)、モーリスの大物は実戦を叩いていく厩舎やマイネルとかコスモの育成の方が合う筈なんだよね。まあ、秋冬の中山開催でことごとく穴を開けるだろうから長い目で見ようよ。

 

2番人気はパタゴニアかな。こちらもノーザンの評判馬でキズナ産駒の牝馬か...

キズナは母方の血統のいい所を引き出す名種牡馬だが、当馬の距離適性はもっと短い所にある気がする。4代祖先(母母父父)にアイスカペイドを持つのはクロフネ産駒やジャスタウェイ産駒と同じで、牝馬に出ると重賞級はマイル~スプリント寄りだ。距離短縮で狙いたい。

 

3番人気にダノンザキッドだろうか。

連勝血統であるニールガウ(1/4)を備えるジャスタウェイ産駒で、一つ勝てば勢いで頂上まで登り詰めてもおかしくないから初戦から注目だ。

要は気持ちのスイッチがどこで入るか。一つ勝つまで様子見が賢明かもしれないが、3番人気以下に甘んじるならば期待込みで本命。何よりも、このレースでデビューするのだから素質的に「当たり」である可能性は高い。ただし、今回見せ場無しならしばらく追っかけ禁止だ。

 

ニールガウ(1/4)を備えるのは期待の新種牡馬ドゥラメンテの産駒も同じだ。

(13年周期で分析した)2018年産のポイントは「近走の勢い」であり、どこでスイッチが入るか見極めが難しい分、シンプルに前走の着順を鵜呑みにした方が回収率は向上しそうだ。従って、新馬戦の予想は特に難解になるからノボリスターリーの取捨も難しい。毎回押さえるよりも走られたらその時は諦めて次走勢いに乗っかろう。

 

他にも素質馬は多数。

オルフェーヴル産駒のイクスプロージョンは、少なからず宝塚記念のラッキーライラックの取捨を考えるヒントになりそうだ。2度あることは3度あるのか、現実的にはそうそう無いだろう。

 

ならば、ノースヒルズが送り出すディープ産駒の牝馬トレサイーユが不気味だ。

松山騎手は今春桜花賞オークスを制し、今後間違いなく素質のある牝馬の騎乗依頼が増えてくるだろう。

 

ハーツクライ産駒のアレクサンドロスはどうか。

何となく、2018年産のハーツは苦戦するような気がする。

 

最後に、もう1頭前評判が高そうなのがワンダフルタウン

ルーラーシップ産駒でコースはあまり向かなそうだから、雨で馬場が渋った方が台頭するかもしれない。

 

 

と言うことで、

結論を言えば「見るレース」だね...

 

この伝説の新馬戦の出走馬は、着順に関わらず次走以降も注目していこう。