【宝塚記念】◎クロノジェネシス
久々のブログ更新だが、サボっていた訳ではない。
もともと、レース予想は発走30分前位にならないと身が入らない人間なのだ。
俗に言う「締め切り効果」というヤツですな。
しかしながら、年に数レース、何日も(何週も)前から不動の本命馬が決まっていることがある。
それが、今回のクロノジェネシスだ。
根拠は到ってシンプルだ。
宝塚記念は「母父父にノーザンダンサーを持つ種牡馬」の産駒が得意とするレースだからである。
サッカーボーイ、ダンスインザダーク、マーベラスサンデー、グラスワンダー、エンドスウィープ、これらは当レースの連対馬の父として名を連ねるが、全て母父父にノーザンダンサーを持つ種牡馬である。近年ではノーザンダンサーの血は後退して、この血統群の馬が宝塚記念で上位人気に支持されることは久しく無かったように思う。
サッカーボーイやダンスインザダークと同じく菊花賞馬を輩出しているバゴの産駒が、無観客の春のグランプリで天下統一する可能性は極めて高い。
さて、問題は対抗以下だ。
昨年のエリザベス女王杯と今春の大阪杯でそのクロノジェネシスに先着したラッキーライラックだが、その両レースでは共に同日の芝コースで他のオルフェーヴル産駒も勝利していた。本格化は間違いなくとも勝ち切ったのはトラックバイアスが味方した部分もあっただろう。今回はクロノに遅れを取ると見た。
当日の一番人気はサートゥルナーリアだろう。
このブログは全然読まれていないから本音を書くが、「シメシメ...」である。
何故なら前出の「母父父にノーザンダンサーを持つ種牡馬」の産駒の連対馬には当日一番人気に支持された馬が1頭もいないからだ。サートゥルがいなければクロノの一番人気も十分ありえたメンバー構成だけにありがたい。「母父父にノーザンダンサーを持つ種牡馬」の好走パターンは別の本命馬が早めに動いてズドン!と展開が嵌ることが多く、受けて立つ競馬では安定味に欠ける。
サートゥルナーリア、2着でいいぞ(心の声)。
上位3頭の強さは認めた上で、今年は伏兵にも魅力を感じる。
△ペルシアンナイト
/母母父父ノーザンダンサー
・ヌレイエフ媒介は2015年2着のデニムアンドルビー(10番人気)と同じで魅力十分だが、4着では一銭にもならんし悩む所だ。クロノが突き抜ける展開でシレっと馬券圏内...あるかな?
△トーセンスーリヤ
/父ローエングリン
・父ローエングリンの代表産駒であるロゴタイプはスプリングS→皐月賞と連勝しているが、国内の血統レベルが高まった1994年以降、産駒が同じパフォーマンスを見せた種牡馬はブライアンズタイム、サンデーサイレンス、オペラハウス、ネオユニヴァースに限られ、いずれもグランプリホース(宝塚or有馬)を輩出している。
さすがにここは敷居が高いとは思うが、ローエングリンを侮ったらあかんで...。
△レッドジェニアル
前走/鳴尾記念
・レースの質次第(重馬場や乱ペースで実戦感覚が重要になる展開)ではこういうローテの馬が穴あけそうなんだよな...
そもそも掲示板くらいにこれる実力はあるから、こっそり3列目にマークしておこう。
とは言え、男は黙って、クロノジェネシス!
男は黙って、クロノジェネシス!
男は黙って...もういいよ!
どうも、ありがとうございました~
【ダービー】◎ガロアクリーク
2017年産におけるクラシックロードは、ハーツクライ旋風から始まった。
後の重賞勝ち馬でも初戦敗退が目立つハーツクライ産駒だったが、現3歳世代ではデビュー戦から鋭い決め手を発揮する馬が続出して注目を集めた。もともと晩成傾向の血統なのだから末は博士か大臣か、近い将来大レースを席巻する姿を想像したファンも多かったに違いない。
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今はもう、ダービー前日にいる。
オークスでは、2歳G1で人気を集めたハーツ産駒の2騎(ウーマンズハート・クラヴァシュドール)が共に大敗、ハーツ産駒の最先着は初戦を落として2戦目に勝ちあがったチェーンオブラブ(6着)だった。
過去のダービーで連対したハーツ産駒3頭の内、ワンアンドオンリーとスワーヴリチャードは新馬戦で敗れている。唯一新馬勝ちしたウインバリアシオンは相手関係に恵まれたもので、その後3~5戦目で伸び悩み、青葉賞を勝って挑んだダービー2着は10番人気だった。
要するに、ハーツクライ産駒に無敗型のヒーローなど存在しないのだ。
休み明けで馬柱のきれいなワーケアに一発の魅力は無く、マイル適性の高いサリオスは明らかに同産駒の括りでは語れず、東京2400mの舞台が合うとは思えない。
◎ガロアクリーク
雌伏の時を乗り越え、急上昇の魅力は出走メンバー随一だ。
2017年産の異変は、ハーツクライ産駒だけではない。
ブラックタイドやキンシャサノキセキといった「3代祖先にリファールを持つ種牡馬」の産駒の新馬戦における鋭い決め手が目立った。これは、過去に東京芝の大レースを席巻したトニービン産駒や、タニノギムレット産駒のウオッカと同様のハリーオン(4/4)による隔世遺伝の特徴であるというのが「血統ウェーヴ」による解釈だ。
勝ちタイムが2分25秒7を切る高速決着のダービーの勝ち馬には、1頭の例外も無く、その血統表の「8代祖先」にハリーオンの名が刻まれている。
キンシャサノキセキ産駒にも、ダービーを勝つ資格はあるのだ。
実際、ウオッカがガロアクリークと全く同じローテーションだったら、こんな感じの馬柱になってたと思うんだよね...。
突き抜けてもおかしくないのよ、
・・普通の年なら、ね。
4戦4勝の凄い奴には敵わないかも知れないけれど、
第87回東京優駿は、
本命ガロアクリークで行きます!
【オークス】・・予想要りますか?
繰り返すが、日本では4着馬は馬券対象外である。
更に、1着馬は大差勝ちしようがハナ差で辛勝しようが配当は変わらない。
要するに、これから書くことは殆ど無意味な戯言である。
ただ、安心してくれたまえ。酒などは一滴も入っていないし、そもそも、普段から飲まないのよ...
まず、人気より上の着順に来る馬を予想するのは簡単だ。
△インターミッション
現在18番人気だから、人気より下の着順に来ることはありえない...なんてふざけた話じゃない。真面目に掲示板くらいは普通にあるよ、この馬。近親にダノンシャークがいるせいか距離延長で嫌われてるけど、母方にニジンスキーとヴァルドロワールが入るディープ産駒はフィエールマンやトーセンカンビーナみたく長距離向きに出てもおかしくない。とは言え、他の桜花賞敗退組とオッズ程の力差は無いけど、4着では一銭にもならんからな...
○ウインマイティー
普通の年なら勝ってもおかしくないな。明らかに充実してるもん。
ゴルシ産駒は「血統ウェーヴ」的にニールガウ(1/4)内包馬だから連勝馬は無条件で押さえる。
勝ってもおかしくないな、
普通の年なら...
・・・
え、デゼル?
誰ですか??
スイートピーSの勝ち馬で現在2番人気...
スイートピーは5馬身くらい千切ったか、上がり3F31秒台で走ったんだろうな。
え、違うの?
上がり3F32.5秒で1.3/4馬身...
あ、そうか、エアグルーヴのいちょうSみたく超絶不利受けて再加速したパターンね。
え、大外一気ですか...
じゃあ何なのよ。ディープ産駒で母が仏オークス馬とかの超良血馬じゃあるまいし...ん??
「頭が高いわよ」
と桜花賞馬が申しております。
◎デアリングタクト
これを書いている時点の単勝オッズは1.9倍。
支持率に換算すれば約42%だから、なめられたもんだ...
エルフィンS1着後の松山騎手のコメント読んだ?
「着差以上に強い内容だった」って4馬身ちぎって出る言葉じゃない。キャリア1戦で成長途上の若駒がリステッド競走で一体何馬身ちぎれば気が済むのよ。
そりゃ競馬に絶対は無いよ、絶対は無いけど、逆にこの馬負かすとしたらどうやって負かすの?
馬群が嫌い?
・・新馬戦見たの?
「負けるのはもっと嫌よ」
とデアリング様が申しております。(2馬身)
距離延長?
「私だけ長い距離走るの?仕方が無いわね」
とデアリング様がビルドアップされた模様です。(3馬身)
上がり3F33秒台使ったことが無い?
「31秒台出せるわよ。必要なら。」
(ダンシングブレーヴか!)
最後は手綱を抑える松山騎手・・(4馬身)
(無事、完走してくれたらそれでいいよ)
・・着差当て予想、要りますか?
いざオークス、デアリング様のお通りだ
「競走馬はファンの馬である」
競馬の神様と称された、大川慶次郎氏の言葉である。
競馬は、馬券を買うファンによって支えられている。
レースの賞金は、私たちが日常汗水流して働いて得たお金なのだ。
競馬ファンならば、誰しも馬主に憧れるかと言えばそれは違うようだ。
例えば、爆笑問題の田中裕二氏は無類の競馬好きで知られている。
田中氏は日曜午後のラジオ番組のオファーがあった際に「競馬が見られなくなる」と一度は拒否したが、なんと番組内に競馬中継コーナーを作るというウルトラC案で新番組をスタートさせた。
私は高校生時代から爆笑問題の大ファンで、深夜ラジオを録音して何度も聴いていたほどだ。深夜放送でも競馬の話題になることが度々あって、「競馬の無い世界は考えられないが、馬主には全く興味ない」と語っている。
「競走馬はファンの馬である」
応援する馬の馬券を買って、絶叫する。
時には馬に自分の人生を重ねて、苦楽を共にする。
個人馬主も、
一口馬主も、
ペーパーオーナーも関係ない。
それ程に、サラブレッドは美しく、力強いのだ。
POGとは誰が始めたのかは知らないが、素晴らしい遊びだ。
毎年数頭の馬をデビュー前から追いかけて、クラシック制覇を夢見る。
私が最初に参加したのは1997年で、月刊誌「サラブレ」の企画である。
記念すべき1頭目の指名馬ディヴァインライトがクラシックに乗り、皐月賞、ダービーに出走した。高校生だったこの時に競馬の魅力を知り、のめり込むきっかけになったのは言うまでもない。
皆の者、控えおろう!
桜花賞馬のお通りだ。
【無観客競馬】サラブレッドの「父に似ない」遺伝法則を考える
サラブレッドの適性や特徴が産駒にストレートに遺伝するならば、血統研究家など必要ない。実際には、いろいろな複雑な要素が絡み合っているか、はたまた単なる神の匙加減かといった具合に父に似ない。産駒の無観客適性の高さが確定的なロードカナロアやオルフェーヴルは現役時代、より観客数の多い大レースで遺憾なく能力を発揮していたではないか...
ならば、父の現役時代の適性や特徴が産駒にどう変化して遺伝するのかを考えてみよう、というのが「血統ウェーヴ」の真髄だ。
まず、サラブレッドの適性や特徴は、その生産年によって偏りが見られる。生産年を周期で捉えてデータにすれば一目瞭然だ。(これは素数ゼミの性質からヒントを得た)
当ブログでは頻出の、
ノーザンF生産馬/現4歳馬/マイル戦/休み明け
というブラックホール級の最強消しデータは、
過去18年遡った芝マイル重賞における、現4歳と3年周期に当たる世代馬という条件でデータを抽出しても浮き彫りになる。要するに、ノーザンFの生産・育成が大きく変化しない限りは、今年の1歳馬が将来休み明けのマイル戦でことごとく人気を裏切ることが予測できるのだ。
(中略)
(ここから飛躍します...)
生産年によって適性や特徴に偏りが見られるならば、サラブレッドの血統は強引に生産年に置き換えることができる。(強引すぎるぞ)
13年周期に着目すれば、13個の数字と座標のみで血統を表すことができるのだ。
一気に飛躍してしまったので、ディープインパクト(2002)を例に考えてみよう。
2002年産/13年周期を分析すると牝馬の活躍が目立ち、繁殖成績も優れるという傾向が掴める。ディープ世代の牡馬は不作で、(ディープ以外の)3冠レース出走馬から中央芝G1の勝ち馬はとうとうでなかった。
その13年後の2015年産においても近い状況だ。
牝馬のアーモンドアイが年度代表馬になり、ラッキーライラックが牡馬相手の大阪杯を勝ちきった。牡馬は菊花賞に間に合ったフィエールマンこそ得意の京都で勝ち星を重ねたが、やはり大レースにおいては全体的に物足りない印象だ。
加えて、2002年産/13年周期の馬には休み明け初戦よりも2戦目の変わり身を期待できる。ディープの凱旋門賞は現地で前哨戦を叩いていたら結果は違っていたと確信しているが、後に失格処分になったのだから1着入線していたらと考えるだけでゾッとする。
しかしながら、以前にも書いた通りその2002年産の種牡馬の産駒には休み明けを得意とする馬が目立つのだから遺伝は分からない。休み明けを得意とする特徴が偏るのは、2004年産/13年周期なのだ。
2002→2004
これがサラブレッドの「父に似ない」遺伝法則の一つだ。
(もちろん仮説だよ..)
・・・
だから...deepな記事になるんだって...
こんな具合に、もう10年以上、いくつもの遺伝法則を定義して実際に馬券を買い続けてきた。
そして、幸運なことに、今も続けられているのだ。
さあ、
ここまで読んでくれた方に
儲け話といこうか。
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NHKマイルカップ
1着ラウダシオン 父リアルインパクト(2008)
3着ギルデッドミラー 父オルフェーヴル (2008)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この2頭の種牡馬は、2週間前の記事でピックアップしている。
ロードカナロア産駒といい、2008年産種牡馬の産駒の無観客適性は相当高そうだ。
しかし、これでは終わらない。
以下は、「血統ウェーヴ」における遺伝法則の定義だ。
2008→2002
無観客適性が13年周期の生産年で表せるのならば、現5歳馬(2002+13=2015)の台頭もあるはずだ。
ーーーー データのレシピ ーーーーー
<無観客>直近11週分
<観客有>無観客以前の直近11週分
□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬
□好走データは、
・2・3歳限定戦の2着以内(3歳未勝利戦を除く)、
・特別戦(重賞含む)の2着以内、
・平場戦は2勝クラス以上の1着(2番人気以下)のみを集計。
□凡走データは、3歳未勝利戦を除く全レースの、
・1番人気で3着以下、
・2番人気で4着以下、
・3番人気で6着以下、
・4・5番人気で8着以下、を集計。
好走データ/凡走データの比率(延べ頭数)は約1:2
ーーーーーーーーーーーーーーーー
【現5歳世代】
芝1600m以上戦
ーーーーーーーーーーーー
■牡馬■
<無観客>
☆好走データ ・・ 23頭
▼凡走データ ・・ 25頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 11頭
▼凡走データ ・・ 29頭
ーーーーーーーーーーーー
これは!...
明暗くっきり。
トーセンスーリヤ、美味しかったな...
そもそも、日本のダートコースは芝コースの内側にあって観客から遠いのだから、無観客による影響は芝レースのほうが大きい。さらに短距離戦は観客から離れたゲートからスタートして先行争いが激化、大勢が決まることも多いのだから、同じく中長距離戦と比較すれば影響が小さいと推測できる。やはり、無観客の影響は普通ならパドックからして雰囲気の異なる大レースほど影響が大きく、ラストの直線で決め手比べになる芝マイル以上のレースも同様だろう。
さすがにベタ買いして儲かるとは言わないが、3連系の紐に
人気薄の「2008年産種牡馬の産駒」と「5歳牡馬」を加えてみてはいかが?
【無観客競馬】ロードカナロア産駒を再考する
前回の無観客分析から2週間たった。
最新のデータを見ていこう。
ーーーー データのレシピ ーーーーー
□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬
□好走データは、
・2・3歳限定戦の2着以内(3歳未勝利戦を除く)、
・特別戦(重賞含む)の2着以内、
・平場戦は2勝クラス以上の1着(2番人気以下)のみを集計。
□凡走データは、3歳未勝利戦を除く全レースの、
・1番人気で3着以下、
・2番人気で4着以下、
・3番人気で6着以下、
・4・5番人気で8着以下、を集計。
好走データ/凡走データの比率(延べ頭数)は約1:2
ーーーーーーーーーーーーーーーー
【ロードカナロア産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
直近5週(無観客)
☆好走データ ・・ 7頭
▼凡走データ ・・ 19頭
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無観客以前と比較すれば好成績だが、直近5週にデータを絞れば特筆すべきデータではない。
しばしば、ロードカナロア産駒が「無観客に強い」という文言を目にするが、この表現には抵抗がある。「強さ」とは、レースにおけるあらゆる課題を乗り越える「耐性」であり、単純に早い馬が大レースを制す訳ではないところが競馬の醍醐味だ。自動的に課題が一つ取り除かれた状況で台頭するなら「無観客に適性がある」という言い回しが正解だろう。現在国内で最も高い種付け料を誇る種牡馬だけに、この評価は決して好ましいものではない。
直近データが平均値を下回ったのは、無観客2走目の昇級戦におけるクラスの壁と、安易な過剰人気によるものだろう。こういった状況では単純にクラス実績のある「強い馬」のオッズが美味しくなるから馬券は辞められない。
さて、週末のヴィクトリアマイルでは産駒のアーモンドアイが人気を集めそうだが、「ロードカナロア産駒の無観客だから鉄板」という発想は愚の骨頂だ。
当馬はファンの大歓声や牡馬相手、距離延長など多くの課題を乗り越えた「耐性」を備える名馬であり、同産駒としては異質の存在だ。牝馬限定、無観客、マイル戦ならこれらのストロングポイントが十分に生かされず格下馬に足元をすくわれても不思議はない。宝塚記念に出走すれば確勝級だから給付金をぶち込むならそこだ。
そもそも、ロードカナロア産駒の無観客適性はどこからくるのか。
同じくキングカメハメハ直仔のルーラーシップ産駒や、母父キングカメハメハに該当する馬のデータを分析しても、特筆すべきものはない。
加えて、無観客後はロードカナロア以外にもオルフェーヴルやリアルインパクトの産駒の台頭が目立っている。
これらに共通する要素は「2008年産の種牡馬」なのだが...
ここから先は、かなりdeepな記事になりそうなのでタイトルを分けたいと思う。
ザックリと結論から言えば、
「2008年産の種牡馬の産駒」と、
2015年産にあたる「現5歳馬」
が、無観客における特注馬となる。
この二つを意識するだけでも馬券成績は向上するだろうが、「血統ウェーヴ」の真髄とも言える「サラブレッドの父に似ない遺伝法則」について書くいい機会だから、頑張ってみよう。
「巨大厩舎」VS「権限厩舎」、これが現代日本競馬の本質だ!
前回までの復習だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本競馬を席巻するノーザンF生産馬の約半数はクラブ所属馬で、その権限は実質生産者にあり、トレセン並みの施設と優秀なスタッフの揃った「外厩」の利用が日常になって調教師の裁量は確実に狭まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「権限と引き換えに厩舎が潤う」
馬券で勝つ為には、リーディング上位という指標そのものを疑った方がいい。
もはやノーザンFは生産者という枠を遥かに超えて、上位厩舎の一部はノーザンF直轄のブランドと化していると言ってもいい。ならば、「ノーザンF生産馬」という括りを「巨大な厩舎」として捉え、逆にこれらを除外したデータで好成績を認める厩舎を「権限厩舎」として対比すれば、現代日本競馬の本質に近付けると直感したのだ。
平たく言えば、「権限厩舎」を認識することで馬券回収率は向上すると思う。
何故なら、日本人は肩書きやブランドに弱いからだ。
・・・
と、前置きが堂々巡りのドグラマグラ状態になりつつあるので前回の続きだ。
昨年の調教師リーディング/6位まで分析したから、
早速、7位からいこう。
ーーーー データのレシピ ーーーーー
集計期間は昨秋~先々週までの30週分
□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬
□好走データは、
・2・3歳限定戦の2着以内(3歳未勝利戦を除く)、
・特別戦(重賞含む)の2着以内、
・平場戦は2勝クラス以上の1着(2番人気以下)のみを集計。
□凡走データは、3歳未勝利戦を除く全レースの、
・1番人気で3着以下、
・2番人気で4着以下、
・3番人気で6着以下、
・4・5番人気で8着以下、を集計。
ここから以下の条件を除外する。
・サンデーレーシング所属馬
・キャロットクラブ所属馬
・シルクホースクラブ所属馬
・吉田勝己・和美オーナー名義の馬
・ルメール騎手の騎乗馬
・短期免許の外国人の騎乗馬
残ったデータの内訳(延べ頭数)は、
好走・・694頭
凡走・・1274頭
好走/凡走データの比率は約1:2
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 8頭
▼凡走データ ・・ 17頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/2100m以上戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 5頭
▼凡走データ ・・ 4頭
ーーーーーーーーーーーー
好走データ計13件の内8頭が1・2番人気のディープインパクト産駒。
近年はアーモンドアイを筆頭にノーザン・社台系の良血馬が目立つが、過去には天皇賞春のマイネルキッツや有馬記念のマツリダゴッホが人気薄の激走を演じ、牡牝や距離のカテゴリーを跨ぐ「柔軟性」は随一だ。まるでサーカスのピエロのような厩舎だから固定観念は持たない方が賢明だろう。
【栗東・音無秀厩舎】
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距離/1500m以下戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 2頭
▼凡走データ ・・ 11頭
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距離/1600m~2000m戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 9頭
ーーーーーーーーーーーー
「ブランド人気」傾向だが4・5番人気の好走も目立ち、好走データが全て3番人気以内だった中内田厩舎とは異なる。
人気馬は疑い、実績馬や血統馬が人気の盲点になったら警戒しよう。
【栗東・松永幹厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 7頭
▼凡走データ ・・ 15頭
ーーーーーーーーーーーー
平均値だが、好走データの半数が日高産馬であることが特筆だ。
良血馬は「ブランド人気」傾向も、「権限厩舎」としての期待値は高い。
【栗東・西村真厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1500m以下戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 5頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 8頭
▼凡走データ ・・ 2頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/2100m以上戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 2頭
▼凡走データ ・・ 2頭
ーーーーーーーーーーーー
文句無しの「権限厩舎」。
好走データにはノーザンFの生産馬が多く占めるが、個人馬主名義でノーザンF内における階層性は高くない。現状ではG1レースで「本丸」に遅れはとっても、今後預託馬の馬質が上がればトップトレーナーの仲間入りも近い。
馬券はもちろん、POGでも必ずチェックしておきたい真の実力厩舎だ。
【栗東・高野友厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離・芝ダート問わず
☆好走データ ・・ 1頭
▼凡走データ ・・ 9頭
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POGにおけるディアスティマは「ブランド人気」の典型だろう。
個人的には緩急の小さいマイル以下の差し馬として期待している。
【栗東・角居厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1500m以下戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 1頭
▼凡走データ ・・ 5頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 6頭
▼凡走データ ・・ 14頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/2100m以上戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 6頭
▼凡走データ ・・ 4頭
ーーーーーーーーーーーー
長距離戦のデータが優秀で管理馬から菊花賞馬が3頭出ているが、過去に天皇賞春の連対は無く、安易な固定観念は持つべきではない。良血馬の「ブランド人気」に騙されず、個々の馬の適性や臨戦過程を見定めたい。
続きを後日書ければ。