【阪神5R/伝説の新馬戦】◎ダノンザキッド
2着リーチザクラウン(ダービー2着)
菊花賞当日といえばその翌年も1着ローズキングダム(ダービー2着)、2着ヴィクトワールピサ(皐月賞)、最近では2年前の1着ワールドプレミア(菊花賞)、2着メイショウテンゲン(弥生賞)が記憶に新しい。
この背景として、大レース当日で有力騎手が一つの競馬場に集まり素質馬がかち合うこと、紛れの少ない広いコースの芝1800m戦であること、クラシックから逆算して施行時期が適していることが挙げられる。
さて、今年も皐月賞は3歳初戦のローテで挑んだコントレイルが勝った。
それどころか、2着も3歳初戦のサリオスだ。
ここ数年でクラシックロードの王道ローテは確実に変化して、賞金加算は早いに越したことは無い。ならば、必然的に今後の「伝説の新馬戦」のトレンドは宝塚記念当日の芝1800m戦に移るのだ。このレースから未来の重賞勝ち馬が出ることは想像に難くない。
実際、このレースの出走馬の内10頭くらいは勝ち上がれると思うよ...
さあ、1番人気はモーリス産駒のテンバガーかな?
早速断言しておくが、モーリス産駒は叩き良化型だよ。
評判馬の初戦2着が目立っているけど、全然問題ないどころか大一番に強い血統群の宿命だから成功は約束されている。要するに、一昔前のブライアンズタイム産駒と考えればいい(リボーの3代周期による隔世遺伝)。叩き3戦目で単勝万馬券を演出とか目に見えてるな。基本的には新馬戦特有の瞬発力勝負は向かない。重馬場はどんと来いだろう。
ただし重馬場なら、もう1頭のモーリス産駒のダンツテリオスの方が気になる。そもそもノーザンFの育成は芝の瞬発力勝負に特化しているから(だから凱旋門賞勝てない)、モーリスの大物は実戦を叩いていく厩舎やマイネルとかコスモの育成の方が合う筈なんだよね。まあ、秋冬の中山開催でことごとく穴を開けるだろうから長い目で見ようよ。
2番人気はパタゴニアかな。こちらもノーザンの評判馬でキズナ産駒の牝馬か...
キズナは母方の血統のいい所を引き出す名種牡馬だが、当馬の距離適性はもっと短い所にある気がする。4代祖先(母母父父)にアイスカペイドを持つのはクロフネ産駒やジャスタウェイ産駒と同じで、牝馬に出ると重賞級はマイル~スプリント寄りだ。距離短縮で狙いたい。
3番人気にダノンザキッドだろうか。
連勝血統であるニールガウ(1/4)を備えるジャスタウェイ産駒で、一つ勝てば勢いで頂上まで登り詰めてもおかしくないから初戦から注目だ。
要は気持ちのスイッチがどこで入るか。一つ勝つまで様子見が賢明かもしれないが、3番人気以下に甘んじるならば期待込みで本命。何よりも、このレースでデビューするのだから素質的に「当たり」である可能性は高い。ただし、今回見せ場無しならしばらく追っかけ禁止だ。
ニールガウ(1/4)を備えるのは期待の新種牡馬ドゥラメンテの産駒も同じだ。
(13年周期で分析した)2018年産のポイントは「近走の勢い」であり、どこでスイッチが入るか見極めが難しい分、シンプルに前走の着順を鵜呑みにした方が回収率は向上しそうだ。従って、新馬戦の予想は特に難解になるからノボリスターリーの取捨も難しい。毎回押さえるよりも走られたらその時は諦めて次走勢いに乗っかろう。
他にも素質馬は多数。
オルフェーヴル産駒のイクスプロージョンは、少なからず宝塚記念のラッキーライラックの取捨を考えるヒントになりそうだ。2度あることは3度あるのか、現実的にはそうそう無いだろう。
ならば、ノースヒルズが送り出すディープ産駒の牝馬トレサイーユが不気味だ。
松山騎手は今春桜花賞とオークスを制し、今後間違いなく素質のある牝馬の騎乗依頼が増えてくるだろう。
何となく、2018年産のハーツは苦戦するような気がする。
最後に、もう1頭前評判が高そうなのがワンダフルタウン。
ルーラーシップ産駒でコースはあまり向かなそうだから、雨で馬場が渋った方が台頭するかもしれない。
と言うことで、
結論を言えば「見るレース」だね...
この伝説の新馬戦の出走馬は、着順に関わらず次走以降も注目していこう。