いざオークス、デアリング様のお通りだ
「競走馬はファンの馬である」
競馬の神様と称された、大川慶次郎氏の言葉である。
競馬は、馬券を買うファンによって支えられている。
レースの賞金は、私たちが日常汗水流して働いて得たお金なのだ。
競馬ファンならば、誰しも馬主に憧れるかと言えばそれは違うようだ。
例えば、爆笑問題の田中裕二氏は無類の競馬好きで知られている。
田中氏は日曜午後のラジオ番組のオファーがあった際に「競馬が見られなくなる」と一度は拒否したが、なんと番組内に競馬中継コーナーを作るというウルトラC案で新番組をスタートさせた。
私は高校生時代から爆笑問題の大ファンで、深夜ラジオを録音して何度も聴いていたほどだ。深夜放送でも競馬の話題になることが度々あって、「競馬の無い世界は考えられないが、馬主には全く興味ない」と語っている。
「競走馬はファンの馬である」
応援する馬の馬券を買って、絶叫する。
時には馬に自分の人生を重ねて、苦楽を共にする。
個人馬主も、
一口馬主も、
ペーパーオーナーも関係ない。
それ程に、サラブレッドは美しく、力強いのだ。
POGとは誰が始めたのかは知らないが、素晴らしい遊びだ。
毎年数頭の馬をデビュー前から追いかけて、クラシック制覇を夢見る。
私が最初に参加したのは1997年で、月刊誌「サラブレ」の企画である。
記念すべき1頭目の指名馬ディヴァインライトがクラシックに乗り、皐月賞、ダービーに出走した。高校生だったこの時に競馬の魅力を知り、のめり込むきっかけになったのは言うまでもない。
皆の者、控えおろう!
桜花賞馬のお通りだ。
【無観客競馬】サラブレッドの「父に似ない」遺伝法則を考える
サラブレッドの適性や特徴が産駒にストレートに遺伝するならば、血統研究家など必要ない。実際には、いろいろな複雑な要素が絡み合っているか、はたまた単なる神の匙加減かといった具合に父に似ない。産駒の無観客適性の高さが確定的なロードカナロアやオルフェーヴルは現役時代、より観客数の多い大レースで遺憾なく能力を発揮していたではないか...
ならば、父の現役時代の適性や特徴が産駒にどう変化して遺伝するのかを考えてみよう、というのが「血統ウェーヴ」の真髄だ。
まず、サラブレッドの適性や特徴は、その生産年によって偏りが見られる。生産年を周期で捉えてデータにすれば一目瞭然だ。(これは素数ゼミの性質からヒントを得た)
当ブログでは頻出の、
ノーザンF生産馬/現4歳馬/マイル戦/休み明け
というブラックホール級の最強消しデータは、
過去18年遡った芝マイル重賞における、現4歳と3年周期に当たる世代馬という条件でデータを抽出しても浮き彫りになる。要するに、ノーザンFの生産・育成が大きく変化しない限りは、今年の1歳馬が将来休み明けのマイル戦でことごとく人気を裏切ることが予測できるのだ。
(中略)
(ここから飛躍します...)
生産年によって適性や特徴に偏りが見られるならば、サラブレッドの血統は強引に生産年に置き換えることができる。(強引すぎるぞ)
13年周期に着目すれば、13個の数字と座標のみで血統を表すことができるのだ。
一気に飛躍してしまったので、ディープインパクト(2002)を例に考えてみよう。
2002年産/13年周期を分析すると牝馬の活躍が目立ち、繁殖成績も優れるという傾向が掴める。ディープ世代の牡馬は不作で、(ディープ以外の)3冠レース出走馬から中央芝G1の勝ち馬はとうとうでなかった。
その13年後の2015年産においても近い状況だ。
牝馬のアーモンドアイが年度代表馬になり、ラッキーライラックが牡馬相手の大阪杯を勝ちきった。牡馬は菊花賞に間に合ったフィエールマンこそ得意の京都で勝ち星を重ねたが、やはり大レースにおいては全体的に物足りない印象だ。
加えて、2002年産/13年周期の馬には休み明け初戦よりも2戦目の変わり身を期待できる。ディープの凱旋門賞は現地で前哨戦を叩いていたら結果は違っていたと確信しているが、後に失格処分になったのだから1着入線していたらと考えるだけでゾッとする。
しかしながら、以前にも書いた通りその2002年産の種牡馬の産駒には休み明けを得意とする馬が目立つのだから遺伝は分からない。休み明けを得意とする特徴が偏るのは、2004年産/13年周期なのだ。
2002→2004
これがサラブレッドの「父に似ない」遺伝法則の一つだ。
(もちろん仮説だよ..)
・・・
だから...deepな記事になるんだって...
こんな具合に、もう10年以上、いくつもの遺伝法則を定義して実際に馬券を買い続けてきた。
そして、幸運なことに、今も続けられているのだ。
さあ、
ここまで読んでくれた方に
儲け話といこうか。
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NHKマイルカップ
1着ラウダシオン 父リアルインパクト(2008)
3着ギルデッドミラー 父オルフェーヴル (2008)
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この2頭の種牡馬は、2週間前の記事でピックアップしている。
ロードカナロア産駒といい、2008年産種牡馬の産駒の無観客適性は相当高そうだ。
しかし、これでは終わらない。
以下は、「血統ウェーヴ」における遺伝法則の定義だ。
2008→2002
無観客適性が13年周期の生産年で表せるのならば、現5歳馬(2002+13=2015)の台頭もあるはずだ。
ーーーー データのレシピ ーーーーー
<無観客>直近11週分
<観客有>無観客以前の直近11週分
□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬
□好走データは、
・2・3歳限定戦の2着以内(3歳未勝利戦を除く)、
・特別戦(重賞含む)の2着以内、
・平場戦は2勝クラス以上の1着(2番人気以下)のみを集計。
□凡走データは、3歳未勝利戦を除く全レースの、
・1番人気で3着以下、
・2番人気で4着以下、
・3番人気で6着以下、
・4・5番人気で8着以下、を集計。
好走データ/凡走データの比率(延べ頭数)は約1:2
ーーーーーーーーーーーーーーーー
【現5歳世代】
芝1600m以上戦
ーーーーーーーーーーーー
■牡馬■
<無観客>
☆好走データ ・・ 23頭
▼凡走データ ・・ 25頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 11頭
▼凡走データ ・・ 29頭
ーーーーーーーーーーーー
これは!...
明暗くっきり。
トーセンスーリヤ、美味しかったな...
そもそも、日本のダートコースは芝コースの内側にあって観客から遠いのだから、無観客による影響は芝レースのほうが大きい。さらに短距離戦は観客から離れたゲートからスタートして先行争いが激化、大勢が決まることも多いのだから、同じく中長距離戦と比較すれば影響が小さいと推測できる。やはり、無観客の影響は普通ならパドックからして雰囲気の異なる大レースほど影響が大きく、ラストの直線で決め手比べになる芝マイル以上のレースも同様だろう。
さすがにベタ買いして儲かるとは言わないが、3連系の紐に
人気薄の「2008年産種牡馬の産駒」と「5歳牡馬」を加えてみてはいかが?
【無観客競馬】ロードカナロア産駒を再考する
前回の無観客分析から2週間たった。
最新のデータを見ていこう。
ーーーー データのレシピ ーーーーー
□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬
□好走データは、
・2・3歳限定戦の2着以内(3歳未勝利戦を除く)、
・特別戦(重賞含む)の2着以内、
・平場戦は2勝クラス以上の1着(2番人気以下)のみを集計。
□凡走データは、3歳未勝利戦を除く全レースの、
・1番人気で3着以下、
・2番人気で4着以下、
・3番人気で6着以下、
・4・5番人気で8着以下、を集計。
好走データ/凡走データの比率(延べ頭数)は約1:2
ーーーーーーーーーーーーーーーー
【ロードカナロア産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
直近5週(無観客)
☆好走データ ・・ 7頭
▼凡走データ ・・ 19頭
ーーーーーーーーーーーー
無観客以前と比較すれば好成績だが、直近5週にデータを絞れば特筆すべきデータではない。
しばしば、ロードカナロア産駒が「無観客に強い」という文言を目にするが、この表現には抵抗がある。「強さ」とは、レースにおけるあらゆる課題を乗り越える「耐性」であり、単純に早い馬が大レースを制す訳ではないところが競馬の醍醐味だ。自動的に課題が一つ取り除かれた状況で台頭するなら「無観客に適性がある」という言い回しが正解だろう。現在国内で最も高い種付け料を誇る種牡馬だけに、この評価は決して好ましいものではない。
直近データが平均値を下回ったのは、無観客2走目の昇級戦におけるクラスの壁と、安易な過剰人気によるものだろう。こういった状況では単純にクラス実績のある「強い馬」のオッズが美味しくなるから馬券は辞められない。
さて、週末のヴィクトリアマイルでは産駒のアーモンドアイが人気を集めそうだが、「ロードカナロア産駒の無観客だから鉄板」という発想は愚の骨頂だ。
当馬はファンの大歓声や牡馬相手、距離延長など多くの課題を乗り越えた「耐性」を備える名馬であり、同産駒としては異質の存在だ。牝馬限定、無観客、マイル戦ならこれらのストロングポイントが十分に生かされず格下馬に足元をすくわれても不思議はない。宝塚記念に出走すれば確勝級だから給付金をぶち込むならそこだ。
そもそも、ロードカナロア産駒の無観客適性はどこからくるのか。
同じくキングカメハメハ直仔のルーラーシップ産駒や、母父キングカメハメハに該当する馬のデータを分析しても、特筆すべきものはない。
加えて、無観客後はロードカナロア以外にもオルフェーヴルやリアルインパクトの産駒の台頭が目立っている。
これらに共通する要素は「2008年産の種牡馬」なのだが...
ここから先は、かなりdeepな記事になりそうなのでタイトルを分けたいと思う。
ザックリと結論から言えば、
「2008年産の種牡馬の産駒」と、
2015年産にあたる「現5歳馬」
が、無観客における特注馬となる。
この二つを意識するだけでも馬券成績は向上するだろうが、「血統ウェーヴ」の真髄とも言える「サラブレッドの父に似ない遺伝法則」について書くいい機会だから、頑張ってみよう。
「巨大厩舎」VS「権限厩舎」、これが現代日本競馬の本質だ!
前回までの復習だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本競馬を席巻するノーザンF生産馬の約半数はクラブ所属馬で、その権限は実質生産者にあり、トレセン並みの施設と優秀なスタッフの揃った「外厩」の利用が日常になって調教師の裁量は確実に狭まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「権限と引き換えに厩舎が潤う」
馬券で勝つ為には、リーディング上位という指標そのものを疑った方がいい。
もはやノーザンFは生産者という枠を遥かに超えて、上位厩舎の一部はノーザンF直轄のブランドと化していると言ってもいい。ならば、「ノーザンF生産馬」という括りを「巨大な厩舎」として捉え、逆にこれらを除外したデータで好成績を認める厩舎を「権限厩舎」として対比すれば、現代日本競馬の本質に近付けると直感したのだ。
平たく言えば、「権限厩舎」を認識することで馬券回収率は向上すると思う。
何故なら、日本人は肩書きやブランドに弱いからだ。
・・・
と、前置きが堂々巡りのドグラマグラ状態になりつつあるので前回の続きだ。
昨年の調教師リーディング/6位まで分析したから、
早速、7位からいこう。
ーーーー データのレシピ ーーーーー
集計期間は昨秋~先々週までの30週分
□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬
□好走データは、
・2・3歳限定戦の2着以内(3歳未勝利戦を除く)、
・特別戦(重賞含む)の2着以内、
・平場戦は2勝クラス以上の1着(2番人気以下)のみを集計。
□凡走データは、3歳未勝利戦を除く全レースの、
・1番人気で3着以下、
・2番人気で4着以下、
・3番人気で6着以下、
・4・5番人気で8着以下、を集計。
ここから以下の条件を除外する。
・サンデーレーシング所属馬
・キャロットクラブ所属馬
・シルクホースクラブ所属馬
・吉田勝己・和美オーナー名義の馬
・ルメール騎手の騎乗馬
・短期免許の外国人の騎乗馬
残ったデータの内訳(延べ頭数)は、
好走・・694頭
凡走・・1274頭
好走/凡走データの比率は約1:2
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 8頭
▼凡走データ ・・ 17頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/2100m以上戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 5頭
▼凡走データ ・・ 4頭
ーーーーーーーーーーーー
好走データ計13件の内8頭が1・2番人気のディープインパクト産駒。
近年はアーモンドアイを筆頭にノーザン・社台系の良血馬が目立つが、過去には天皇賞春のマイネルキッツや有馬記念のマツリダゴッホが人気薄の激走を演じ、牡牝や距離のカテゴリーを跨ぐ「柔軟性」は随一だ。まるでサーカスのピエロのような厩舎だから固定観念は持たない方が賢明だろう。
【栗東・音無秀厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1500m以下戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 2頭
▼凡走データ ・・ 11頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 9頭
ーーーーーーーーーーーー
「ブランド人気」傾向だが4・5番人気の好走も目立ち、好走データが全て3番人気以内だった中内田厩舎とは異なる。
人気馬は疑い、実績馬や血統馬が人気の盲点になったら警戒しよう。
【栗東・松永幹厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 7頭
▼凡走データ ・・ 15頭
ーーーーーーーーーーーー
平均値だが、好走データの半数が日高産馬であることが特筆だ。
良血馬は「ブランド人気」傾向も、「権限厩舎」としての期待値は高い。
【栗東・西村真厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1500m以下戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 5頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 8頭
▼凡走データ ・・ 2頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/2100m以上戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 2頭
▼凡走データ ・・ 2頭
ーーーーーーーーーーーー
文句無しの「権限厩舎」。
好走データにはノーザンFの生産馬が多く占めるが、個人馬主名義でノーザンF内における階層性は高くない。現状ではG1レースで「本丸」に遅れはとっても、今後預託馬の馬質が上がればトップトレーナーの仲間入りも近い。
馬券はもちろん、POGでも必ずチェックしておきたい真の実力厩舎だ。
【栗東・高野友厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離・芝ダート問わず
☆好走データ ・・ 1頭
▼凡走データ ・・ 9頭
ーーーーーーーーーーーー
POGにおけるディアスティマは「ブランド人気」の典型だろう。
個人的には緩急の小さいマイル以下の差し馬として期待している。
【栗東・角居厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1500m以下戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 1頭
▼凡走データ ・・ 5頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 6頭
▼凡走データ ・・ 14頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/2100m以上戦(芝ダ問わず)
☆好走データ ・・ 6頭
▼凡走データ ・・ 4頭
ーーーーーーーーーーーー
長距離戦のデータが優秀で管理馬から菊花賞馬が3頭出ているが、過去に天皇賞春の連対は無く、安易な固定観念は持つべきではない。良血馬の「ブランド人気」に騙されず、個々の馬の適性や臨戦過程を見定めたい。
続きを後日書ければ。
「ブランド厩舎」と「権限厩舎」を見極めろ! 上位厩舎偏
「前置き偏」を読んでくれた方に捧げる
・・・
さあ、
ーーーー データのレシピ ーーーーー
集計期間は直近30週分
□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬
□好走データは、
・2・3歳限定戦の2着以内(3歳未勝利戦を除く)、
・特別戦(重賞含む)の2着以内、
・平場戦は2勝クラス以上の1着(2番人気以下)のみを集計。
□凡走データは、3歳未勝利戦を除く全レースの、
・1番人気で3着以下、
・2番人気で4着以下、
・3番人気で6着以下、
・4・5番人気で8着以下、を集計。
ここから以下の条件を除外する。
・サンデーレーシング所属馬
・キャロットクラブ所属馬
・シルクホースクラブ所属馬
・吉田勝己・和美オーナー名義の馬
・ルメール騎手の騎乗馬
・短期免許の外国人の騎乗馬
残ったデータの内訳(延べ頭数)は、
好走・・694頭
凡走・・1274頭
好走/凡走データの比率は約1:2
ーーーーーーーーーーーーーーーー
昨年の調教師リーディング(勝ち数)順に分析していこう。
ーーーーーーーーーーーー
距離/1500m以下戦(芝ダート問わず)
☆好走データ ・・ 8頭
▼凡走データ ・・ 19頭
ーーーーーーーーーーーー
一見平均値だが、好走データ8件全てが1番人気のロードカナロア産駒で、内5件は同一馬(レッドルゼル)によるものだから、個々の馬を精査すれば短距離戦の「ブランド人気」傾向は間違いない。
【栗東・矢作厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1500m以下戦(芝ダート問わず)
☆好走データ ・・ 5頭
▼凡走データ ・・ 4頭
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦
☆好走データ ・・ 12頭
▼凡走データ ・・ 10頭
ーーーーーーーーーーーー
好走データ計17件の内、1番人気はたったの2回(コントレイルのホープフルSと皐月賞)。言わずと知れた名門厩舎にも関わらず何故か「ブランド人気」していない。
非ノーザンF生産馬やリーディング下位騎手起用での活躍も目立ち、
文句なしの「権限厩舎」だ。
【美浦・堀厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦
☆好走データ ・・ 5頭
▼凡走データ ・・ 9頭
ーーーーーーーーーーーー
好走データ5頭の内、3頭がサトノ冠の良血ディープ産駒。
外国人J偏重の為データも限られる。
矢作厩舎と比較すると集計期間中の短距離実績も乏しく、「引き出し」が少ない印象は拭えない。個人的には「権限行使」下における両者の厩舎力の差は(成績の)見た目以上に大きいと評価している。今からコントレイルVSサリオスの第2幕が待ち遠しい。
【栗東・中内田厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦
☆好走データ ・・ 6頭
▼凡走データ ・・ 13頭
ーーーーーーーーーーーー
好走データ6頭全てが2着止まりで、凡走データ13頭の内9頭が1番人気。
「ブランド人気」傾向と言えるだろう。
【美浦・藤沢和厩舎】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 5頭
ーーーーーーーーーーーー
件数が極端に少ないのは、主戦であるルメール騎手のデータが除かれた結果だ。
好走データの3頭がいずれもリーディング下位騎手起用の2・3番人気で勝ち切っている点は特筆すべきだろう。
でもやっぱりフランス人に頼り過ぎよね...
【栗東・池江泰】
ーーーーーーーーーーーー
距離/1600m~2000m戦
☆好走データ ・・ 8頭
▼凡走データ ・・ 10頭
ーーーーーーーーーーーー
凡走データ10頭中、1番人気は3頭のみでイメージより「ブランド人気」していない。
人気薄の1着もあり、中内田厩舎と比較するとその差は顕著だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
競馬予想におけるオッズとは物の値段と同じだ。
同レベルの材質とデザインで出来た商品でも、ブランド物の方が遥かに高い。
ブランド物はそれでも買い手が付くのだ。
馬券においても、同じことが言える。
ここまでのデータを用いれば、
同レースに中内田厩舎と池江泰厩舎の所属馬がかち合い、互いに人気を分け合ったならば、後者を軸に馬券を買う方が賢明だろう。
・・・
とは言ってみたものの、
競馬はそんなに簡単ではない。
続きを後日書ければ。
【回収率向上大作戦】ブランド厩舎と権限厩舎を見極めろ!(前置き偏)
現在の日本の生産界はノーザンファームが席巻している。
そのノーザンF生産馬の約半数はサンデーレーシング、キャロットクラブ、シルクホースクラブのいずれかに所属しているが、これらの馬の育成方針やローテーション、騎手の起用などの権限はどこにあるのか。
全てとは言わないが、これは自明である。
大牧場が優れた外厩施設を持てば、必然的に調教師の裁量が狭まる。
また、権力のある個人馬主が減り、分割された権利のみを有する一口馬主が増えることで、その権限は実質オーナーブリーダーのノーザンFに集中するのだ。
当ブログでは、昨年秋から生産者別分析を試みているが、自作のデータは30週分まで増えた。
ここまでくれば、否が応にも現代日本競馬の本質が見えてくる。
当然ながら、調教師リーディングではノーザンFの育成と親和性の高い厩舎がその上位を占めているが、この現象は、
「リーディング上位厩舎の一部がノーザンF直属のブランド化している」
と解釈することもできるのだ。これは「強い馬作り」という観点では正義に違いないが、馬券を買う私たちにとっては由々しき問題である。
「ブランド人気」
個々の馬の本質が見過ごされ、所属厩舎や騎手のネームバリューで人気になる。
こんなものに踊らされていては、馬券回収率など向上しよう筈もない。
さあ、馬券で勝ちたい諸君...
現在、本当の意味で権限を持って好成績を挙げている厩舎はどこなのか?
データの算出は単純明快だ。
自作の生産者別データから以下の条件を削除する。
・サンデーレーシング所属馬
・キャロットクラブ所属馬
・シルクホースクラブ所属馬
・吉田勝己・和美オーナー名義の馬
・ルメール騎手の騎乗馬
・短期免許の外国人の騎乗馬
残ったデータで好成績の認められる厩舎こそが、
大牧場にも巻かれず、
フランス人にも頼らない、
本物の「権限厩舎」である...筈だ。
・・・
ここまで書くのに3時間近くかかったぞ...
明日、続きを書ければ。
【保存版】無観客競馬で台頭する種牡馬を探せ!
前回の続きだ。
ーーーー データのレシピ ーーーーー
<無観客>直近9週分
<観客有>無観客以前の直近9週分
□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬
□好走データは、
・2・3歳限定戦の2着以内(3歳未勝利戦を除く)、
・特別戦(重賞含む)の2着以内、
・平場戦は2勝クラス以上の1着(2番人気以下)のみを集計。
□凡走データは、3歳未勝利戦を除く全レースの、
・1番人気で3着以下、
・2番人気で4着以下、
・3番人気で6着以下、
・4・5番人気で8着以下、を集計。
好走データ/凡走データの比率(延べ頭数)は約1:2
ーーーーーーーーーーーーーーーー
【ジャスタウェイ産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
■牝馬■
<無観客>
☆好走データ ・・ 4頭
▼凡走データ ・・ 3頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 2頭
▼凡走データ ・・ 4頭
ーーーーーーーーーーーー
データは少ないが、頭の片隅には入れておこう。
【スクリーンヒーロー産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 6頭
▼凡走データ ・・ 3頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 0頭
▼凡走データ ・・ 6頭
ーーーーーーーーーーーー
無観客の好走データ6頭の内、5頭は芝の距離/1800m以上戦だ。この条件では忘れずチェックしておこう。
【ダイワメジャー産駒】
距離/1600m以上戦(芝ダート問わず)
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 9頭
▼凡走データ ・・ 8頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 7頭
ーーーーーーーーーーーー
無観客の芝中距離戦ではダイワメジャー産駒の激走を警戒しよう。
【ノヴェリスト産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 7頭
▼凡走データ ・・ 7頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 9頭
ーーーーーーーーーーーー
無観客競馬はスタンスとして欧州競馬寄りなのかもしれない。
【ブラックタイド産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 5頭
▼凡走データ ・・ 1頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 3頭
ーーーーーーーーーーーー
無観客の凡走データは1番人気で3着だから安定感抜群。
1勝クラス以上の人気馬は信頼できそうだ。
【ヘニーヒューズ産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 2頭
▼凡走データ ・・ 9頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 8頭
▼凡走データ ・・ 9頭
ーーーーーーーーーーーー
無観客後の成績の低下が顕著だ。何か別の要因があるのかもしれないが、軸にするのは控えておこう。
【リアルインパクト産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 2頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 1頭
▼凡走データ ・・ 3頭
ーーーーーーーーーーーー
データは少ないが、ダイワメジャー産駒と同様に芝マイル~中距離戦の激走を警戒だ。
【ルーラーシップ産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
■牡馬・セン馬■
<無観客>
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 14頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 7頭
▼凡走データ ・・ 10頭
ーーーーーーーーーーーー
牝馬はフェアリーポルカが重賞を連勝したが、牡馬・セン馬は明らかに無観客後の成績が低迷している。
【ロードカナロア産駒】
芝・距離/1600m以上戦
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 15頭
▼凡走データ ・・ 4頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 2頭
▼凡走データ ・・ 12頭
ーーーーーーーーーーーー
これは以前【観客数別データ】に書いた予測通りだった。
短距離戦も見てみよう。
距離/1400m以下(芝ダート問わず)
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 11頭
▼凡走データ ・・ 14頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 4頭
▼凡走データ ・・ 25頭
ーーーーーーーーーーーー
【観客数別データ】の記事には「ロードカナロア産駒の短距離戦は観客が多いほうが走る」と書いたが、これは外れていたらしい。
ロードカナロア産駒は総じて人気先行型だったが、無観客実施後は条件を問わず水を得た魚のような快進撃で、特に芝のマイル以上の距離では人気馬に逆らえない。
去年無観客だったら、サートゥルナーリアの3冠もあったと本気で思う。
恐らく、この状況は簡単には終わらない。
観客が入れるようになっても人数は制限されるだろうし、これを機に自宅競馬の快適さを知ったファンも多いのではないか。
とすれば、今後は大レースほど観客減がその血統傾向に与える影響も大きく、過去のデータの信用性も低くなる。特に距離適性や、牡牝による産駒イメージなどの固定観念を逆手に取れば、思わぬ高配当も期待できそうだ。
そして何よりも、競馬があることに感謝し、ありつづけることを願う。