無観客競馬で台頭する種牡馬を探せ!(ア行~カ行)偏
前回の要領で表題に取り組んでみよう。
ーーーー データのレシピ ーーーーー
<無観客>直近9週分
<観客有>無観客以前の直近9週分
□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬
□好走データは、
・2・3歳限定戦の2着以内(3歳未勝利戦を除く)、
・特別戦(重賞含む)の2着以内、
・平場戦は2勝クラス以上の1着(2番人気以下)のみを集計。
□凡走データは、3歳未勝利戦を除く全レースの、
・1番人気で3着以下、
・2番人気で4着以下、
・3番人気で6着以下、
・4・5番人気で8着以下、を集計。
好走データ/凡走データの比率は約1:2
ーーーーーーーーーーーーーーーー
さあ、50音順で行こう。
【アイルハヴアナザー産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 6頭
▼凡走データ ・・ 2頭
ーーーーーーーーーーーー
<観客有>
☆好走データ ・・ 1頭
▼凡走データ ・・ 6頭
ーーーーーーーーーーーー
【ヴィクトワールピサ産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
■■牡馬■■
<無観客>
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 4頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 1頭
▼凡走データ ・・ 9頭
ーーーーーーーーーーーー
■■牝馬■■
<無観客>
☆好走データ ・・ 1頭
▼凡走データ ・・ 4頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 5頭
▼凡走データ ・・ 5頭
ーーーーーーーーーーーー
ヴィクトワールピサ産駒は逆に牝馬の成績が下降、牡馬に安定感がある。
【エンパイアメーカー産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 4頭
▼凡走データ ・・ 3頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 1頭
▼凡走データ ・・ 5頭
ーーーーーーーーーーーー
【キンシャサノキセキ産駒】
距離/1600m以上(芝・ダ問わず)
ーーーーーーーーーーーー
<無観客>
☆好走データ ・・ 4頭
▼凡走データ ・・ 2頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 1頭
▼凡走データ ・・ 3頭
ーーーーーーーーーーーー
父の現役時代のイメージから距離延長は嫌われがちだから狙い目だ。
【ゴールドアリュール産駒】
※条件問わず
ーーーーーーーーーーーー
■■牡馬■■
<無観客>
☆好走データ ・・ 8頭
▼凡走データ ・・ 8頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 4頭
▼凡走データ ・・ 11頭
ーーーーーーーーーーーー
無観客実施後、牡馬の安定感が増しているようだ。
ここまで分析してみると、無観客の影響は種牡馬によって牡牝で対照的なケースと、適性距離が延びるケースが散見される。
特に後者は今週末の重賞予想において大切なファクターとなりそうだ。
【無観客競馬】オルフェーヴル産駒の牝馬を狙え!
早いもので無観客競馬のデータも9週分まで増えたから、その傾向を探ってみよう。
直近18週に着目すれば観客有/無のデータが半々となって面白い発見があるかも知れない。
まず、久々のブログ更新になるので自作の生産者別データのレシピを再確認しておこう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
□対象は生産者L上位概ね50位以内の生産馬
□好走データは、
・2歳戦の2着以内、
・3歳限定戦の2着以内(未勝利戦を除く)、
・特別戦(重賞含む)の2着以内、
・平場2勝クラスの1着(2番人気以下)、を集計。
□凡走データは3歳未勝利戦を除く全レースの、
・1番人気で3着以下、
・2番人気で4着以下、
・3番人気で6着以下、
・4・5番人気で8着以下、を集計。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
好走データに限りレベルの下がった勝ち抜けの条件戦を除くことで、好走/凡走データ全体(延べ頭数)の比率は約1:2となる。
これを基準に、主に生産者/世代/ローテに着目した特筆条件を探るのが当データ作成の目的だ。
では、早速この生産者別データの18週分を取り出して、
・無観客/直近9週
・観客有/無観客以前の直近9週
と、真っ二つに割ってみよう。
サクっ・・・
じゅわ~
・・・!!
【オルフェーヴル産駒】※条件問わず
ーーーーーーーーーーーーー
■牝馬■
<無観客>
☆好走データ ・・11頭
▼凡走データ ・・ 7頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 3頭
▼凡走データ ・・ 6頭
ーーーーーーーーーーーーー
■牡馬■※セン馬は除く
<無観客>
☆好走データ ・・ 2頭
▼凡走データ ・・10頭
<観客有>
☆好走データ ・・ 6頭
▼凡走データ ・・10頭
ーーーーーーーーーーーーー
無観客実施後のオルフェーヴル産駒は牡牝で明暗くっきり。
セン馬が2勝しているので牡馬を見切るのは早計かもしれないが、牝馬の活躍が顕著で好走データが全て芝レースに偏ることは特筆すべきだろう。
【観客数別データ】今週出走の注目馬・軽視馬
年明けから、自作の生産者別データの改良の為の試行錯誤を続けているが、その半数程を捨てることにした。
削除データ
・新馬/未勝利戦の全データ
・全レースの3着(好走)データ
目的は主に増えすぎた好走データを「より強い相手による、より上の着順」に絞る為だ。
コツコツと積み上げてデータも22週分まで増えて、一段と実用性が高まり「競馬の本質」に近づける筈だ。
ーーーーーーー
「無観客競馬」とはなんとも虚しい響きだが、
これは「G1レース施行当日の競馬」と対極にあると言っていい。
例えば、ダービー当日の東京競馬場は午前中の第1Rから大きな歓声が上がる。
それと比較すれば、「当日重賞レースの組まれていない土曜日の競馬」は少なくとも観客数という評価軸で「無観客競馬」寄りに位置することは間違いない。
そこで、生産者別データから2つのグループを抽出してみることにした。
A.メーンに重賞の組まれていない土曜/月曜開催日のデータ
(中央4場のみ)
B.G1レース施行当日のデータ
(G1レース施行競馬場のみ)
この両者で、好走/凡走の傾向の違いが顕著な条件を狙い撃ちするのが今回のテーマだ。
実験的な戦略だが、ひょっとしたら、ひょっとするかもしれないぞ...
※データは昨秋~先週までの22週分
/概ねL上位「47」生産者対象
/新馬・未勝利戦を除く延べ頭数
①D1200m戦
/ゴールドアリュール産駒/4歳馬
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A(観客数/少)
☆2着以内☆ ・・3頭
(人気以上に好走) ・・(3頭)
▼凡走データ▼ ・・1頭
(1・2番人気で4着以下) ・・(1頭)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
B(観客数/多)
☆2着以内☆ ・・0頭
(人気以上に好走) ・・(0頭)
▼凡走データ▼ ・・1頭
(1・2番人気で4着以下) ・・(1頭)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
サンプルは5頭のみだが、内4頭の成績が「無観客」への適性を示すものだ。
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☆注目馬☆
土曜阪神7R コパノジョウオー
今週出走の該当馬はこの1頭のみ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
②D1400m戦
/オルフェーヴル産駒/4歳馬
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A(観客数/少)
☆2着以内☆ ・・2頭
(人気以上に好走) ・・(1頭)
(人気通り順当) ・・(1頭)
▼凡走データ▼ ・・0頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
B(観客数/多)
☆2着以内☆ ・・0頭
▼凡走データ▼ ・・2頭
(1・2番人気で4着以下) ・・(2頭)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
こちらもサンプルが4頭と少ないが、全てが「無観客」への適性を示すものだ。
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☆注目馬☆
日曜阪神7R ジャミールフエルテ 牡4
今週の該当馬は1頭のみだが、データは全て牝馬によるものだから参考までに。
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③ロードカナロア産駒
/D1400m以下+芝1200m戦
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
A(観客数/少)
☆2着以内☆ ・・3頭
(人気通り順当) ・・(1頭)
(1番人気2着) ・・(2頭)
▼凡走データ▼ ・・8頭
(1・2番人気で4着以下) ・・(6頭)
(4・5番人気で8着以下) ・・(2頭)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
B(観客数/多)
☆2着以内☆ ・・5頭
(人気以上に好走) ・・(3頭)
(人気通り順当) ・・(1頭)
(1番人気2着) ・・(1頭)
▼凡走データ▼ ・・2頭
(1・2番人気で4着以下) ・・(1頭)
(4・5番人気で8着以下) ・・(1頭)
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明らかにスプリント戦においては観客数の多い日にスイッチが入るようだ。
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▼軽視馬▼
土曜中山1R ピクチャーポーズ
土曜中山11R ダノンスマッシュ
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土曜中京8R タナロア
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土曜阪神7R タガノコルソ
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日曜中山9R メジェールスー
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日曜中京6R トーホウフレーテ
日曜中京9R クルークヴァール
日曜中京9R キルロード
日曜中京12R ミッキーハイド
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日曜阪神1R ジルジェンティ
日曜阪神3R コンウィ
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多いぞ...ロードカナロア産駒。
好走データは2着以内だから3連系の馬券でバッサリいくよりも、これらを外した馬連で勝負してみよう。もしもダノンスマッシュが連を外したらシメシメ...ですな。
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④ロードカナロア産駒
/芝1400m~1800m戦
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A(観客数/少)
☆2着以内☆ ・・9頭
(人気以上に好走) ・・(6頭)
(人気通り順当) ・・(3頭)
▼凡走データ▼ ・・8頭
(1・2番人気で4着以下) ・・(6頭)
(4・5番人気で8着以下) ・・(2頭)
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好走/凡走データが半々だが、
その凡走8頭の内4頭は「ノーザンF生産/4歳馬/芝マイル戦/休み明け」のブラックホール級最強消しデータの該当馬だから仕方が無い。
さらに、好走馬の中には直近22週でそのブラックホールに飲み込まれずに唯一(人気以上に)好走したヴァルディゼールがいるのだから、ロードカナロア産駒の芝1400m~1800m戦は観客数が少ない方が走る。確定です!
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☆注目馬☆
土曜中山5R ホウオウエミーズ
土曜中山5R クロミナンス
土曜中山7R ヴェンチュラスター
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土曜阪神11R メデタシメデタシ
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日曜中京2R レッドキュリアス
日曜中京11R アントリューズ
日曜中京11R ペプチドバンブー
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明日、deep予想記事を書ければ。
【権限厩舎】3/1(日)の注目馬
「権限厩舎」の定義は週中に書いている。
簡単に言えば、日高産馬/リーディング下位騎手で好成績を挙げている厩舎だ。
今回はこれに社台F生産馬も加えて、昨秋以降の成績が優秀な厩舎をピックアップする。基本的には過剰人気になりやすいノーザンF生産馬へのアンチテーゼといったモチベーションでやっているから、☆注目馬☆は1番人気になりそうな馬は避けて、できるだけ期待値が高くなるように独自のデータによる生産者/血統/世代/ローテなどのフィルターを通している。これに当日の血統バイアスの追い風が吹いたら...、と淡い期待を抱きつつ、1頭も馬券内に来なかったらしばらく放牧に出ます。
①栗東・西村真厩舎
☆注目馬☆
ーーーーーーーーーーーーーーー
中京11R タイセイアベニール
ーーーーーーーーーーーーーーー
日曜の非ノーザン/L下位騎手はこの馬のみ。
西村真厩舎は昨年の調教師リーディングTOP10の中で唯一今回のピックアップの条件を満たした。
さあ、とりあえずサウジカップの時間まで頑張ってみよう。
②栗東・須貝尚厩舎
☆注目馬☆
ーーーーーーーーーーーーー
中京8R ショウナンサニー
ーーーーーーーーーーーーー
③美浦・鹿戸雄厩舎
☆注目馬☆
ーーーーーーーーーーーーーー
中山5R ジェイケイエピファ
ーーーーーーーーーーーーーー
☆注目馬☆
ーーーーーーーーーー
阪神2R キーパンチ
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⑤栗東・鮫島一厩舎
☆注目馬☆
ーーーーーーーーーーーー
阪神5R トリンカデイラ
ーーーーーーーーーーーー
⑥栗東・松下武厩舎
☆注目馬☆
ーーーーーーーーーーーー
阪神12R アールロッソ
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⑦栗東・石坂公厩舎
☆注目馬☆
ーーーーーーーーーーーー
中京1R スマートラミア
ーーーーーーーーーーーー
⑧栗東・大橋勇厩舎
☆注目馬☆
ーーーーーーーーーーーー
中京10R ザプリオレス
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⑨栗東・長谷川厩舎
☆注目馬☆
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー
⑩栗東・木原一厩舎
☆注目馬☆
ーーーーーーーーーーーー
阪神6R ハイオソラール
ーーーーーーーーーーーー
⑪美浦・加藤士厩舎
☆注目馬☆
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中京1R マーチクイーン
ーーーーーーーーーーーー
以上11頭。
さて、放牧の支度でもしようか。
【偶然じゃない】競馬の本質が見えてきた・・今後躍進する厩舎を探せ!
能力、適性、調子。
レース予想における競走馬の評価軸は、主にこの3つであると考えている。
実際のレースではこれに枠順や騎手の駆け引きによる「展開」といった不確定な要素が加わるから、予想は難しい。
ではまず、競走馬の「能力」について考えてみる。
その指標として信用性が最も高いのは「走破タイム」だろう。
先日行われたフェブラリーSの勝ち時計は1:35.2。
同日の3歳未勝利戦の勝ち時計が1:39.1、だから、約4秒の差がある。
さて、中央競馬における新馬戦と未勝利戦を足した数は1300強らしい。
ここで、この勝ち上がり馬1300頭をこの「4秒」の中で序列付けするとしよう。
仮に各々直近の馬との能力差が「均等」であるとすれば、1300/4で1秒差の中に325頭、0.1秒差の中に約32頭の同世代馬がひしめくことになる。
先日のフェブラリーSの1着馬モズアスコットと2着馬ケイティブレイブの差は0.4秒差ついた。前述の仮定が正しければ、この0.4秒差の中に各世代100頭を超える能力馬が存在することになるが、これはありえないだろう。記憶に新しい所では有馬記念のリスグラシュー、少し遡って2013年の天皇賞秋のジャスタウェイのように、現代日本競馬ではG1レースでライバル達を置き去りにする「青天井」のパフォーマンスを見せる覚醒馬はほんの一握りであって、「重賞未勝利馬がG1制覇」「国内で条件クラスの馬が海外重賞制覇」してもさほど驚かない程に重賞レベルで能力が拮抗した馬が多数存在するのだ。これでは条件クラスの出走馬の「重賞級」という厩舎コメントがたとえ真実であっても「鉄板級」とは言えない。
すると、必然的に予想ファクターとして比重を置くべきなのが残る「適性」「調子」「展開」だ。
これには競走馬の長所を伸ばす育成と、
その適性を細かく見抜く調教師、
目標レースに照準を定めコンディションを整える厩舎力、
レースで展開を味方につけ、競走馬の能力を引き出す騎手。
そう、全てにおいて「人」が関わってくるのだ。
実際、昨秋から生産者別データの作成を始めて以来、私の競馬観は大きく変わった。
血統情報のみに偏重した予想スタイルを捨て、より「人」に関心を持つようになった。
さあ、ここからは具体的なデータを交えて行こう。
まず、「人」に着目したデータを作成する際には気を付けることがある。
それは、「権限がどこにあるか?」である。
実は前回の記事で「日高産馬」という括りからビッグレッドFとコスモVFの生産馬を除外した理由はここにある。これらの馬の育成やレースにおける戦略の「権限」が岡田繁幸氏にあるのは自明であり、所属厩舎、騎手に至っても「専属性」が強く個人としての評価は難しい。これはノーザンF生産馬や大クラブの所属馬にも言えることだ。
従って、厩舎や騎手の本質を見たいなら、これらのデータを切り離さなければならない。加えて、「社台グループ」と「ダーレーJF」の生産馬はその血統レベルと質が異なる為、「日高産馬」とデータを一括りにするのはナンセンスだ。
※データの集計、仕分け条件は前回の記事と同じ
【日高産馬/L下位騎手の厩舎別成績】
この場合、調教師に最も「権限」がある状態だ。否が応にもその手腕が問われる。
「ルメール騎手にお任せします」なんてことは絶対に言いません。多分...
まずは全体成績を見てみよう。
※障害レースは除く
ーーーーーーーーーーーーーー
日高産馬/L下位騎手
☆3着以内 ・・392頭
(3番人気以内) ・・(143頭)
▼4着以下
(3番人気以内) ・・143頭
▼7着以下
(4・5番人気) ・・ 73頭
ーーーーーーーーーーーーーー
3番人気以内の馬券内好走率が見事に50%だ。
では、今度は厩舎を昨年の成績で真っ二つに割ってみよう。
ーーーーーーーーーーーーーー
日高産馬/L下位騎手
/L上位厩舎
☆3着以内 ・・128頭
(3番人気以内) ・・(50頭)
▼4着以下
(3番人気以内) ・・ 56頭
▼7着以下
(4・5番人気) ・・ 31頭
ーーーーーーーーーーーーーー
3番人気以内の馬券内好走率が全体よりも少し低下。
4・5番人気の伏兵の凡走率も高くなることから、
日高産馬/L上位厩舎においては「鞍上強化」=「勝負気配」の傾向を認める。
ーーーーーーーーーーーーーー
日高産馬/L下位騎手
/L下位厩舎
☆3着以内 ・・264頭
(3番人気以内) ・・(93頭)
▼4着以下
(3番人気以内) ・・ 87頭
▼7着以下
(4・5番人気) ・・ 42頭
ーーーーーーーーーーーーーー
これは単純に前出の2つのデータの差となる。
好走データ(264頭)と凡走データ(87頭+42頭)の比がほぼ2:1となっている所に着目しよう。
要するに、同条件でこれよりも優位に好成績を挙げている厩舎こそが、その独創性と技術を評価されるべきなのだ。
馬券ファンからすればこれらが「本当に儲かる厩舎」であることは言うまでもない。
さあ、種まきは終わった。
昨年のリーディング50位以内の厩舎の内、
前記条件おいて全体よりも明らかに優位に好成績が認められる厩舎が3つある。
栗東・松永幹厩舎
栗東・清水久厩舎
栗東・杉山晴厩舎だ。
ーーーーーーーーーーーーーー
栗東・杉山晴厩舎
日高産馬/L下位騎手
☆3着以内 ・・ 5頭
(3番人気以内) ・・(2頭)
▼4着以下
(3番人気以内) ・・ 0頭
▼7着以下
(4・5番人気) ・・ 1頭
ーーーーーーーーーーーーーー
このデータには先週のケイティブレイブのフェブラリーS2着は含まれていない。
・・・偶然じゃない。
データは少ないが、確信するには十分なのだ。
大事なのはディテールである。
「引き出し」「戦略」「調整技術」を高いレベルで備えたこの厩舎の今後の躍進は約束されている。
杉山先生、もしや・・知っていたのですか??
最低人気(16頭立て)で2着。
過去の実績なら他馬に引けを取らないどころか有力視されても不思議ない。
最低人気に甘んじた最大の要因は、今年連対ゼロだった長岡騎手の起用だろう。
実際、昨年の有馬記念では、前走のジャパンカップで1番人気に支持されたレイデオロが似たような状況で9番人気に甘んじている。この時騎乗したのは三浦騎手で、正直、体の空いている関東リーディング上位騎手があてがわれたという印象は拭えなかった。今も昔も、騎手の起用で勝負気配を読むという習慣は、我々競馬ファンにすり込まれているのだ。
さて当ブログでは、毎週テーマ性を持って更新するように努力している。(そうだったのか)
先週のテーマは「厩舎をザックリと上位と下位に分けたデータ分析」だった。
正直なところ先週の馬券成績は散々だったが、多少大げさに言えば「競馬の本質」を理解するきっかけとなりそうな程の手応えを掴んだ。少しづつ、これをブログを更新しながら紐解いていければと考えているが、さて、日曜の競馬が終わった直後に早速作ったデータがこれだ。
「日高産馬のL上位騎手/下位騎手別成績」
※データは昨秋~3週前までの19週分の延べ頭数
生産者L34位以内/2019年勝ち数
※ここでの「日高産馬」の定義
社台グループ・ダーレーJF
ビッグレッドF・コスモVF生産馬を除く
※騎手の仕分けは、
2019年リーディング18位以内、及び短期免許の外国人を「上位」
リーディング19位以下を「下位」とする。
19位以下で「下位」とは、厩舎と比べて厳しいと感じるかも知れないが、これで自作のデータを厩舎同様にほぼ真っ二つに割れる。
【東京D1600m】
ーーーーーーーーーーーーー
「L上位騎手」
☆3着以内☆ ・・8頭
(3番人気以内) ・・(8頭)
▼4着以下▼
3番人気以内 ・・7頭
▼7着以下▼
4・5番人気 ・・5頭
ーーーーーーーーーーーーー
さすがに好走馬の勝率は高いが、3番人気以内の馬券内率は半々。
集計期間中、4番人気以下の馬券内好走が1頭もいなかった。
ーーーーーーーーーーーーー
「L下位騎手」
☆3着以内☆ ・・31頭
(3番人気以内) ・・(9頭)
▼4着以下▼
3番人気以内 ・・6頭
▼7着以下▼
4・5番人気 ・・6頭
ーーーーーーーーーーーーー
3番人気以内の馬券内率は6割で「上位騎手」よりも高く、
4番人気以下の好走がなんと22頭!!
本当ですよ...
断言しよう。
東京D1600mというコースは、日高産馬に限ればリーディング下位騎手の方が馬券になる。ここでは「鞍上強化」=「勝負気配」という固定観念は最大の敵だ。
杉山先生、もしや・・知っていたのですか...
ケイティブレイブの激走を、調教パートナーとの絆などといった人情物語(それもあるけど..)で片付けてしまっては、競馬の本質は見えない。
今週のテーマは「騎手をザックリと上位と下位に分けたデータ分析」で行こうか。
【永久保存版?騎手データ】マーフィー・ロスを埋める騎手を探せ!
競馬におけるリーディングといえば主に、
種牡馬、騎手、調教師、生産者が挙げられるが、この中で騎手だけが仲間はずれである。さあ、理由を考えてみて欲しい...
正解は、騎手だけが2文字である...というのは冗談として、
種牡馬、調教師、生産者の3つは同一レースで多頭出しがあるが、騎手だけはそれがありえない。特に大レースにおいてはノーザンF生産馬や特定の人気種牡馬の産駒の出走がかち合い、これらのデータでは絞り切れない。
そういう意味では、「騎手」に着目したデータはより初心者向けで効率の良いものなのかもしれない。
さあ行こう。データは全て、
/昨秋~先先週までの19週分
/2019年・生産者リーディング(勝ち数)34位以内
の延べ頭数
これを大きく、
A.ノーザンF生産馬
B.社台F生産馬(千歳、白老、追分F合算)
C.日高産(非社台)
の3つに分けて、
更に、調教師リーディング(2019年勝ち数)の上位(51位以内)と下位(52位以下)で二分する。
☆短期免許の外国人騎手(合算)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ノーザンF生産馬】
L上位厩舎所属
3着以内 ・・ 76頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 44頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 17頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ノーザンF生産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 16頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 18頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 5頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ノーザンF生産馬/L上位厩舎」の人気馬はそこそこ信頼できそうだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【日高産馬】
L上位厩舎所属
3着以内 ・・ 21頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 15頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 5頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 23頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 8頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんと、日高産馬に限ればL下位厩舎所属馬の成績がより良く、人気馬の安定感は「ノーザン/L上位厩舎」を遥かに凌ぐ。しかしこれは...
O.マーフィー騎手の手腕による所が大きい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆O.マーフィー騎手
【日高産馬】
L上位厩舎所属
3着以内 ・・ 5頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 6頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 3頭
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 12頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 3頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんなに差があったのね...
馬の素質の違いや外厩仕上げに頼れないこの条件下で好成績を挙げるには、紛れも無い騎乗技術が必要な筈だ。L上位厩舎所属馬の成績が落ちるのは、恐らく厩舎側のオーダーなどの「しがらみ」や安易な過剰人気によるものだろう。
・・マーフィーよ、早く帰ってきてくれ。
では、O.マーフィー騎手が帰国した今、「日高産/L下位厩舎」において最も信頼できる騎手を探すのが今回のテーマだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼ルメール騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 3頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 4頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 1頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
まあ、ノーザンの主戦ですから...
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
△川田将騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 6頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 2頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 2頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
データの殆どが鮫島一歩厩舎所属馬。
昨年あと1勝挙げていれば「L上位厩舎」だっただけに...
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆武豊騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 14頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 8頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
3番人気での凡走が目立つが、騎手人気する傾向から致し方ない。
勝率の高さは流石と言っていい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼福永騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 3頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 6頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 4頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
集計期間中では、武豊騎手との差が歴然だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
△松山騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 9頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 7頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 3頭
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売り出し中の松山騎手だが、騎手人気はしない傾向を考えれば技術ではまだ武豊騎手に遠く及ばない。
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☆M.デムーロ騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 6頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 2頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 1頭
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頭数は少ないが、勝率も高く関東馬との相性がいい。
関東の有力騎手の戦線離脱も重なり、関東圏で重用されるケースに注目だ。
ここからは、好成績の騎手のみピックアップしていこう。
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☆岩田康騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 7頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 1頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 1頭
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勝率も高く、まだまだ息子には負けられない。
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☆和田騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 11頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 5頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 2頭
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人気馬は信頼できないが、人気薄を2、3着に持ってくる技術は流石だ。
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☆池添騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 8頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 5頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
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こちらも人気馬の信頼性には欠けるが、脅威の勝率はJRA騎手きっての勝負師である証だ。
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☆幸騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 24頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 4頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 5頭
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O.マーフィーもびっくり...
ただし、以前も書いたが好走データの大半が浦河産馬だから馬券を買う前に産地をチェックしよう。
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☆大野騎手
【日高産馬】
L下位厩舎所属
3着以内 ・・ 15頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 1頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 1頭
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脅威の安定感で人気薄の好走も目立つが、2、3着がドッサリだから池添騎手のような勝負師とは対照的なタイプなのだろう。人気馬を負かしにいく競馬よりも漁夫の利的に着を拾っていく技術に優れている。
☆総括☆
「日高産馬/リーディング下位厩舎」において、
最も信頼できるのは武豊騎手である。
関東圏ではデムーロ騎手の手腕に期待。
続いて関西で安定感があるのが岩田康騎手、一発の魅力なら池添騎手。
浦河産馬で脅威の成績を挙げる幸騎手と、
人気薄の紐穴で和田騎手と大野騎手を警戒といったところか。
いずれにしても、ノーザンF生産馬の分析のみでは3連系馬券の的中は難しいから、こういった視点も大事になってくるだろう。
マーフィー、早く帰ってきてくれ。