~血統ウェーヴ~

直系統に囚われない血統解釈で競馬の本質に迫る

【AB理論】ブラックタイド産駒が活躍する厩舎の特徴とは?

前回、「連対率」を比較条件に用いた特別な方法で騎手と調教師を仕分けした。

 

=高い

=低い

 

とすれば、直感的に最も好走率が高そうな組み合わせは騎手厩舎であろう。

しかしこの予測は直感的というよりも短絡的と言うべきであり、実際に自作の生産者別データに当てはめると最も好走率の高い組み合わせは騎手厩舎であった。

 

競馬予想をしていれば、誰しも経験がある筈だ。

2頭の取捨で最後まで悩み、結局は「前走着順が上」、「人気が上」、「騎手や厩舎がリーディング上位」などと短絡的に結論を導くと見事に裏目に嵌ってしまうのである。

確かに、これらの要素は一次元で語れば「上」であるほど好走率は高いのだが、複雑に絡み合う予想ファクターの一つとして捉えると、そうそう簡単ではない。

 

一例を挙げてみよう。

前回作った2020年のデータを種牡馬別に分析すると、ブラックタイド産駒の厩舎の好走率が厩舎よりも顕著に高いことに気付く。

16、17年と年度代表馬に輝いたキタサンブラックの所属していた清水久詞厩舎もリーディング上位の中では顕著に連対率は低く、レースを使いながら馬を鍛え上げる印象が強い。

ブラックタイド産駒に限らず、叩き上げて調子を上げる馬や、枠順や展開に左右されやすい馬は、一戦必勝スタイルの厩舎が合うとは思えない。

この場合、連対率の高い厩舎=好走率が高い、といった方程式は成り立たないのだ。

 

前回の記事に書いた通り、自作の生産者別データで最も好走率が高かったのは騎手×厩舎のコンビだった。

騎手からすれば、厩舎で馬が仕上がりきった、狙い澄ましたレースである程プレッシャーが重そうで、かえって厩舎の方が気楽に乗れて好成績に繋がるというのはありそうだ。

 

また、騎手に限れば、直感通り厩舎の方が好走率は高く、マイナス×マイナス=プラス、といった具合にもいかない。

 

いずれにしても、競馬予想における様々な予想ファクターにまつわる数値の高低の扱いは、単純な四則演算できるほど簡単ではないことは確かである。