モンジューのひ孫     /〜血統ウェーヴ〜

直系統にとらわれない血統解釈で競馬の本質に迫る

【最も美しい血統馬/2017年産】デアリングタクトよ、君だけは本物であれ

昨年から「優駿POG」に参加している。

一般的なPOGとは違い、雑誌で取り上げられた241頭のみがその選択対象となっているのが面白い。その241頭の中にはホープフルSを勝ったコントレイルもいて、仮にこれに皐月賞、ダービーと勝たれたら指名していない自分の上位進出は難しい。

 

さて、その「優駿POG」では指名馬を10頭選べるのだが、その内の1頭が土曜京都のエルフィンSに出走するデアリングタクトだ。

父のエピファネイアは2020年の種付け料が倍増したように、初年度産駒が好調だ。しかし、これはさすがに相馬眼を持つ馬産地の関係者でもない限り予測できない。現に今後間違いなく名種牡馬として未来の日本競馬を席巻するであろうキズナの産駒は1頭も指名できなかった。

 

早いもので、ダービーまでのPOG期間も残り4ヶ月だ。

この時点で未勝利の馬はほぼクラシックでノーチャンスと言ってもいいだろう。

つまり、現段階で希望を抱ける馬を指名していること自体が幸運なのだ。

 

デアリングタクト

エピファネイア長谷川牧場

 

正直なところ、クラシックの脚音が聞こえてくるこの2月に、ここまで期待させてくれるとは想像していなかった。恐らく指名者も少ないだろう。

 

さて本馬の血統の美しさを語る前に、少し脱線しなければならない。

 

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ミスターシービーという3冠馬がいた。

 

1980年産だから、37年前の3冠馬だ。

ディープインパクトの現役時代を知らない競馬ファンも珍しくない時代だから、3冠馬とはいえ知名度は高くないかもしれない。

 

そういう私も、さすがにミスターシービーの現役時代は知らない。

しかしながら、私が競馬に興味を持った1990年代はまだ雑誌やテレビなどでこの世代の名馬の逸話に触れる機会に恵まれていた。

 

ミスターシービー 1980年産

 父トウショウボーイ 1973年産

 母シービークイン  1973年産

 

父と母は同じ1973年産の内国産馬というだけではなく、新馬戦で同じレースを走っているのだ。母のシービークインにとってこのミスターシービーが初仔で生涯唯一の産駒となったことも相まって「血のロマン」の象徴ともされ、私自身、このような血統表には美しさを感じる。

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「血統ウェーヴ」ではサラブレッドの遺伝と生産年には密接な関係があると定義している。一般的には父と母の血統に同一祖先馬がいるときに「インブリード」や「クロス」と表現するが、個人的にこれを意識して競馬予想をすることは殆ど無い。それよりも、特定の代を遡った複数の祖先馬が同じ生産年で重なるときに、一般的に言う「インブリード」に近い印象を持つことがある。

 

名馬という、神の匙加減か気まぐれで生まれてくる奇跡のアスリートにも、ときどき、美しい法則性を見出すことができる。

 

それが、血統である。

 

血統研究によって馬券で勝利するのは困難かもしれない。

それでもいい。

 

競馬だけではない。

世の中はつまらない「しがらみ」に負けて、美しいものが淘汰される。

それでもいいのだ。

 

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デアリングタクト

 父エピファネイア

  母シーザリオ          (2002)

   母キロフプリミエール(1990) 

    母 Querida (1975)

 

 母デアリングバード

  母デアリングハート       (2002)

   母デアリングダンジグ(1990)

    母 ImpetuousGal        (1975)

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父母のシーザリオと母母のデアリングハートは2005年の桜花賞で一緒に走り2、3着だった。この時勝ったのはラインクラフトで、産駒を残すことなくこの世を去ってしまった名馬である。ラインクラフトは続くNHKマイルカップも勝ち、この時の2着馬がデアリングハートだった。2002年産の牝馬は繁殖馬として当たり年で、シーザリオの勝ったオークスの2、3着馬も産駒が重賞を勝ち、今後もその枝葉を拡げていくことだろう。