生産「地」別の主戦騎手を探せ!
今年から生産者別データの対象をリーディング(2019年勝ち数)の34位までに大幅拡張したのだが、細かすぎて上手く活用しきれない。もっと抽象的に把握できないものかと試行錯誤した末、「生産地で分ける」という方法に落ち着いた。
具体的には、日高地区の生産馬を
「日高産」
「新冠産」
「新ひだか産」
「浦河産」
の4つに分けるというものだ。
まだ直近14週分のデータを分析したに過ぎないが、面白いことに競走馬には生産「地」別に明らかな適性や特徴の偏りが見られる。現在の日本の生産界はノーザンFが席巻していて社台グループ全体で年間1000勝を超えるが、JRAの年間レース数は約3400レースもあるのだから、残る2000レース以上の大部分を日高地区の生産馬が勝っていることになる。この分析を疎かにするわけにはいくまい。
さて、前回の記事で『ノーザンF生産馬の「階層」を起用騎手で読み解く』という試みを書いたが、今回もこのロジックが重要になる。
改めて書くと、「生産馬の階層」という概念には大きく分けて2つの捉え方があると考えている。
①育成時における「階層」
血統背景やオーラなどから特別な期待をかけられる素質馬は、工業製品に例えるならば「細かい仕様までこだわったオーダーメイド」だ。ノーザンF生産馬ならデビュー戦からルメール騎手が手綱を取り続ける馬や、2歳時に預託される厩舎などから推測することもできる。噛み砕いて言えば「前評判」だ。
当ブログでは、主に条件クラスに吹き溜まる(失礼)ノーザンF育成「階層」上位の馬たちの消しデータを探すことに尽力していきたい。
②レース内における「階層」
昔の言い回しを使えば「勝負気配」だ。素質だけではなく「調子」や「相手関係」によって入れ替わるそのレース単体における「階層」である。これは騎手の起用法で大体読むことが可能だ。G1レースのような頂上決戦ではそのままそのカテゴリーにおける「階層」を意味する。(昨年末の有馬記念のフィエールマンの乗り替わりは露骨過ぎたが..。)
この場合も、「階層」上位の馬の消しデータを見つけてこそ当ブログの真骨頂であると心得ている。
さて、前置きが長くなったが今回のテーマはずばり『日高地区の生産馬のレース内における「階層」を騎手の起用法で読み解く』である。
当然ながら、ノーザンF生産馬の主戦であるルメール騎手や川田騎手、短期免許の助っ人外国人たちは日高生産馬の主戦とはなり得ない(勿論、馬個体で捉えれば例外もあるが)。それ程にノーザンの質と量が他を圧倒しているのだ。
<浦河産>
(三嶋牧場、杵臼牧場、高昭牧場、富田牧場etc)
直近14週では、幸英明騎手の成績がズバ抜けている。
浦河産/生産者L34位以内集計/直近14週の延べ頭数
<幸騎手>
3着以内 ・・14頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 2頭
4・5番人気で7着以下 ・・ 2頭
幸騎手と言えば地方交流G1を9勝したホッコータルマエだが、当馬は浦河の市川ファーム生産だ。
これはもう、完全に「浦河のルメール」状態である。
ちなみに、そのルメール騎手の同期間の浦河産馬の騎乗成績は、
3着以内 ・・ 2頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 1頭
4・5番人気で7着以下 ・・ 0頭
短期免許の外国人騎手合算でも、
3着以内 ・・ 4頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 5頭
4・5番人気で7着以下 ・・ 1頭
であるから、改めてその凄さがわかる筈だ。
当ブログでは今後、浦河産馬における幸騎手の好走/凡走条件を追いかけていこう。
(続きを明日書ければ。)