~血統ウェーヴ~

直系統に囚われない血統解釈で競馬の本質に迫る

【ここが変だよ'17年産②】実は現役時代のディープインパクトは叩き良化型だった

今年の2歳にあたる2017年産の競走馬には、ディープ産駒の専売特許とも言える「新馬戦・広いコース・鋭い決め手」といった特徴が、リファールの血を持つ別の種牡馬の産駒たちにも現れている、とここまでが前回の考察だった。

 

そもそも、何故ディープインパクト産駒は休み明けから走るのか。父も新馬戦から圧倒的パフォーマンスを見せていたのだから不思議はないと感じるかも知れないが、血統を研究すればするほど、この見解には無理がある。

 
3代祖先にリファールを持つ馬の傾向>

ディープインパクトの母父はアルザオで、その父がリファールだから当馬もこれにあたるが、同様に母父がダンシングブレーヴ(父リファール)の馬に注目してみよう。

この血統馬で平地重賞を勝った全10頭の内、新馬勝ちしたのはスイープトウショウクラレントのみで、共に京都芝1400mで1、2番人気に支持されていた。

これは舞台適性と相手に恵まれたもので、あのメイショウサムソンですら勝ち上がりは3戦目なのだから、血統傾向としては叩き良化型と見て間違いない。

後の重賞勝ち馬がデビュー戦では掲示板外だったケースも目立つ。

 
ではディープインパクトの現役時代はどうだろう。

 

産駒からはトライアルの弥生賞の勝ち馬が沢山出ているが、軒並み本番の皐月賞では期待外れの成績だ。

これは、弥生賞ではアドマイヤジャパンに詰め寄られたが、本番の皐月賞では全く問題にしなかった父とは真逆ではないか。

更に、国内唯一の敗戦となった3歳時の有馬記念菊花賞からの中8週、勝ったハーツクライはこれも母母父にリファールを持つ血統馬で、この時は前走ジャパンカップからの中3週+叩き3戦目だったのだから興味深い。

ディープインパクト凱旋門賞の敗戦は、早仕掛けではなく休み明けが影響したもので、絶対能力の差から連戦連勝で本質が見えにくいが叩き良化型であったと推測できる。

 

では何故産駒は休み明けから走るのか。実はこの傾向はディープインパクトに限ったことではなく、2002年産/13年周期種牡馬に顕著な傾向なのだが...

 

それはまた、別の、話。(ひっぱることを覚えたね)