~血統ウェーヴ~

直系統に囚われない血統解釈で競馬の本質に迫る

【理想のコースを考える】最もトラックバイアスの小さいコースはどこだ?

国内では、新潟の直線1000mほど特殊なコースは無い。

私が日頃使っている自作の競馬データで、競走馬のキャリア直近の2つの勝ち鞍だけを抽出して整理したものがあるが、最後の勝ち鞍が直千競馬だった馬のその一つ前の勝ち鞍を並べてみると、ことごとく直千競馬なのだ。

 

例えば、このコースはデータ上ではマツリダゴッホ産駒の勝利数が多く単勝回収率も100%を超えていたが、これはリピーターによって重ねられた数字なのだから、勝ち馬自体は少なく、つまりこの産駒全体で考えれば直千競馬を得意とする確率は低いのだ

血統データを鵜呑みにして全てのマツリダゴッホ産駒に手を出していたらオケラ街道まっしぐらだと肝に銘じよう。

 

さらに、恐らくこれは今後ダート短距離のカレンブラックヒル産駒にも当てはまりそうだ。

面白い産駒が出てきて、そのイメージを頼りに芝からの条件変わりの穴狙いをしたくなる気持ちは分かるが、これも確率は低いだろう。

素質のある馬は調教で動いて最初からダートを使うから基本的には実績のある人気馬を軸で買う血統だ。

 

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「リピーターの活躍する特殊なコースでは種牡馬実績を鵜呑みにするな」

では逆に、フラットな(平坦という意味ではなく)コースではどうだろう。

多くの馬が能力を遺憾無く発揮できるわけだから、種牡馬実績の高さは産駒のポテンシャルの指標にはなりそうだ。

ならば、ここでも血統データを鵜呑みにして能力で劣る馬を狙うのは本末転倒だ。フラットなコースとは純粋に強い馬を選ぶ為にあるのだ

さて、今回のテーマはその最もトラックバイアスの小さいコースはどこか?であった。これは言い換えれば、なるべく他の多くの条件のレースと親和性の高いコースということになる。出世レースという概念があるが、これの施行条件となるべきコースがまさにそうだろう。

では具体的に考えていこう。使用したデータは過去約6年分の、種牡馬65頭と母父として13頭の産駒の直近の勝ち鞍2つのみを抽出したものだ。

まず出世レースとしてイメージが定着している東京スポーツ杯と共同通信杯の行われる東京芝1800mだが、これはリピーターが多い。

リアルスティールエイシンヒカリに代表されるように得意な条件ではとことん強いが、反面脆さもあって異なる条件との親和性は低い。

逆に、過去にはリピーターの活躍が目立った中山記念の行われる中山芝1800mだが、このデータでは2000m戦との親和性が目立つ。特にネオユニヴァース産駒にこの傾向は顕著で、ネオリアリズムヴィクトワールピサもこのコースと2000mG1を勝っている。

次は、阪神芝1800mだ。

これはリピーターは少ないが、中山・東京・京都芝1800m戦との親和性が特に強い。だが、これらのデータは半数以上がディープインパクト 産駒によるもので、例えばハービンジャー産駒に限れば芝2000m戦や洋芝との親和性が高い。

毎日杯を勝ったブラストワンピースが札幌記念を勝つ事は約束されていたのか。

洋芝の凱旋門賞が楽しみになった。