モンジューのひ孫     /〜血統ウェーヴ〜

直系統にとらわれない血統解釈で競馬の本質に迫る

【第0章】〜血統とは、波である ②

15年前に、母父父にノーザンダンサーを持つ繁殖馬の産駒が特定の大レースに強いことに気づいた私は、このような隔世遺伝が作用する他の祖先馬を探すべく、躍起になってサラブレッドの血統表とひたすら睨めっこする日々が続いた。

この時使用したのが、「I 理論で読むスタリオンブック」という本で、国内外の種牡馬の血統表が9代祖先まで遡って載っていて非常に役に立った。府中本町の古本屋で手に入れたものだが、当時自宅にネット環境の無かった自分にとってはまさに求めれば与えられる(違うか)といった代物で今だに感謝している。

 

さて、そうこうするうちに早速着目したのが、伝説の名馬リボーの血である。ちなみにこのブログでは名馬列伝的な内容は端折らせていただくが、「血統ウェーヴ」の概念が理解できたその暁には、より一層(何十倍も)これらの昔話お伽話に興味が湧くことだろう(現に自分がそうだ)。

 

「母の父の父にリボーを持つ繁殖馬の産駒は、その血統の詰めの甘さの如何によらず大舞台に強く総じて叩き良化型である」

 

これは有馬記念に強かったブライアンズタイム産駒や、グラスワンダー(母アメリフローラの母父父がリボー)の血統解釈がこれにあたる。

現代では、リボーの血は後退し(代を重ねたという意味で)、さらに3代経て血統表の7代祖先にこの血を見つけるとこの傾向が見られる。ディープインパクト 産駒ながら菊花賞有馬記念を勝ったサトノダイヤモンドも母内のこの血統解釈で納得できる。

 

さて、ここで波である。

 

サラブレッドの血統的遺伝には、例えばスプリンターのサクラバクシンオーから短距離馬が出るといった猿にでもわかる(猿に失礼)マクロ的な遺伝の他にも、マイラーから長距離馬が出たり、詰めの甘い父から突然怪物が出たりというミクロ的隔世遺伝があることは疑いようがない。

ミクロ的と表現したのは、この遺伝が、マクロ的現実に対する量子力学のミステリー性に通じるものがあると直感したからに他ならない。

 

今度こそ波の話だ。ミクロ的な遺伝には、どうにも周期的な法則があるように思えてならない。例えば、リボーを4代祖先に持つブライアンズタイム産駒は現役時代の怪物ぶりが種牡馬としては直仔に遺伝せず、更に代を重ねて7代祖先にリボーを持つと、その底力が出現するようである。

つまりこれは、リボーの血が3代周期で波のようにサラブレッドの血統的遺伝に影響を与えているといえる。

実はサイアーラインでは淘汰されたように見える祖先馬たちも、現代のサラブレッドたちの血統表に打ち寄せる波のように多大な役割を担っていて、それを理解し、研究することで競馬の本質に迫ろう、というのが永遠のテーマである。