~血統ウェーヴ~

直系統に囚われない血統解釈で競馬の本質に迫る

【天皇賞・秋】◎フィエールマン

天皇賞・秋、   2頭(牡馬

ジャパンカップ、 2頭(牝馬

有馬記念、    3頭(牡馬2:牝馬1)

 

これは、3歳春(ダービー)までにG1レースを制した馬の、5歳シーズン以降における優勝実績(2001年~)だ。

 

天皇賞・秋でこれに該当するのは2006年のダイワメジャー(5歳/皐月賞)と2012年のエイシンフラッシュ(5歳/ダービー)のみで、両者共にクラシック制覇当時は伏兵扱いだった。

4歳時に当レースを制したウオッカ(ダービー)とブエナビスタ桜花賞オークス)は翌年の5歳シーズンでは連覇を逃し、次走のジャパンカップで巻き返しを果たしている。

3歳春から快進撃を続けてきた牝馬アーモンドアイには(少しだけ?)厳しいデータかもしれない。

 

 

では、2番人気のクロノジェネシスはどうか。

宝塚記念のパフォーマンスは昨年のリスグラシューを彷彿とさせるが、重馬場で上がりのかかる展開は着差がつきやすく、2着のキセキは昨年がピークだった感が否めない。

圧勝劇は覚醒ではなく元来のポテンシャルの高さと適性によるものだろう。適性は今回よりも恐らく次走のジャパンカップと見た。

 

 

3番人気以降は前日オッズで単勝が10倍以上付く。12頭立てだから全頭買ってもプラスの算段だが、ここまでのロジックからダノンプレミアム(5歳/早熟性)とキセキ(昨年がピーク)は1着候補から外そう。残るは8頭だ。

 

 

2001年以降、G1制覇が天皇賞・秋のみ、という馬は3頭しかいない。

 

スピルバーグ   (前走・毎日王冠3着)

トーセンジョーダン(前走・札幌記念1着)

ヘヴンリーロマンス(前走・札幌記念1着)

 

スピルバーグ毎日王冠で上がり最速のディープ産駒で、続くジャパンカップも3着に好走した。同じディープ産駒で毎日王冠4着(上がり2位)だったカデナに1着を望むのは荷が重い。ジナンボーも同様だ。

非ディープ産駒では近走の勢いが必須であり、ダイワキャグニースカーレットカラーに今が充実期という雰囲気は無い。

 

さて、残るは4頭。

土曜東京の芝傾向を見れば、香港G1馬のウインブライトには厳しい瞬発力勝負が待っていそうだ。

 

3頭。

ブラストワンピース

ダノンキングリー

フィエールマン

 

ブラストワンピースは昨年の札幌記念1着馬で、当レースとの親和性は低くない。

人気を落とした要因は前走の宝塚記念の大敗(16着)だろうが、15着のペルシアンナイトと17着のグローリーヴェイズは見事に次走で復活を遂げている。サンドイッチの法則?があるのかどうかは知らないが、今回は必ず押さえておきたい。

 

 

最後に取っておきのデータを披露だ。

 

<天皇賞・秋を連対したディープ産駒の世代>

 

5歳世代/3年周期・・4頭

4歳世代/3年周期・・0頭

3歳世代/3年周期・・2頭

 

よって、

◎フィエールマン > ダノンキングリー

 

以下、

○アーモンドアイ

▲クロノジェネシス

△ブラストワンピース。

 

ふう、疲れたワイ。

【菊花賞】◎バビット

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「フィッシュ」。

 

アメリカでは走る馬の体形をこう呼ぶらしい。

馬体を正面からみると魚のように薄いのがその特徴だ。

これを知ったのは今年のダービーのパドック解説(GC)で、テレビ画面には大本命馬の姿が映っていた。

 

「空気抵抗か...」

エンジンが同じなら、より空気抵抗の少ないフォルムが有利に決まっている。

いや、そもそもエンジンも違うのだ。

この瞬間、僅かに期待していたダービーの波乱は一縷の望みも無いことを悟った。

 

コントレイルは種牡馬となって日本競馬の質を変えるだろう。

産駒によるケンタッキーダービー制覇も夢ではない。

 

<真っ黒い馬体がチャーチルダウンズに帰ってくる、サンデーサイレンスの血を引いた日本の...>

 

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明日は菊花賞だ。

奇跡の種牡馬サンデーサイレンスも現役時代、距離延長のクラシック3冠最終戦ベルモントS(ダ2400m)でイージーゴアに敗れている。

芝3000m越えのマラソンレースは世界的に見ても種牡馬選定としての意義を失い、菊花賞メルボルンCを勝ったデルタブルースが1頭の産駒も残すことが出来ないのが現実なのだ。

 

「無敗の3冠馬」という称号の為だけに菊花賞を走るコントレイル。

菊花賞馬」の栄光を目指し、死力を尽くす17頭。

 

涼しい顔で、大本命が先頭で駆け抜けるなら、それも競馬である。

 

「もう一頭怪物がいた」

こんなことが実際起こるのも、競馬の怖さである。

 

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◎バビット

/母母父ヌレイエフ

   ノーザンダンサー

 

当ブログでは頻出だが、母父父にノーザンダンサーを持つ繁殖馬の産駒が滅法強い大レースがこの菊花賞だ。臨戦過程とも、普通の年なら「勝ち確」レベルなんだけどね...

 

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▲ヴェルトライゼンデ

/母母父ビーマイゲスト

   ノーザンダンサー

 

半兄は昨年の菊花賞馬。父は違うが、適性は母方から受けたものだろう。

 

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秋華賞の2、3着は荒れたが、今週は堅いと思う。

人気薄は内枠を引いた△ガロアクリークのみ押さえておこう。

【秋華賞】絶対に、無い

2020年2月8日、京都競馬場に虹がかかった。

グリーンチャンネルの画面越しに、輝かしい未来を予感した。

その数十分前、エルフィンSで1頭の牝馬が圧倒的なパフォーマンスを披露したゴールの瞬間、私は

桜花賞馬だ!」

と両手を挙げて叫んでいた。

デアリングタクトが、ベールを脱いだ瞬間である。

 

しかし、現実はそうそう甘くはなかった。

例年なら桜花賞の出走ボーダーをクリアしていると思われたが、まさかの除外危機。

トライアルレースが消化され出走権がほぼ約束されたところで、新型コロナウイルスによる開催危機。

「なんで今年に限って...」

そんな思いが、桜花賞当日まで何度も頭の中を過ぎった。

 

その後の活躍は、語るまでもない。

史上初、無敗の3冠牝馬の誕生をかけた秋華賞で、前日オッズが1.1倍になろうとも驚かない。

 

競馬に、絶対は無い。

圧倒的1番人気が敗れることも少なくないが、終わってみればそれ程強くない過剰人気だったケースが殆どだ。

 

2020年、10月18日、秋華賞

どんな結末が待っていようとも、

デアリングタクトが弱い馬だったということだけは、

絶対に、無い。

グリーンチャンネルでメッセージが読まれました(^^)

デアリングタクトのぬいぐるみが出来た。

 

欲しい...

通販で注文しようかと考えていた先週日曜の昼休み、「ぬいぐるみをプレゼント」というフレーズが耳に入ってきた。どうやらグリチャの全レース中継でメッセージが採用されると貰えるらしい。テーマは「秋競馬の注目馬」だ。

 

早速、以下の内容で送信してみた。

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【メッセージ】

秋競馬の注目馬は(もちろん)デアリングタクトです。

 

祖母のシーザリオデアリングハート同世代の活躍馬というだけではなく、それぞれの母、祖母までが同世代という血統構成に惚れ込んでいます。

 

競馬歴20年の私は今年の1月に人生初の馬券回収率0%を記録してしまい落ち込んでいた所に、「この馬だけは」エルフィンSで単勝を買い、桜花賞オークスと全て単勝に転がして興奮と歓喜の時に浸ることができました。

秋華賞も全力で応援します!

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全て本当である。

なんとこのメッセージが、今日の放送で読まれてしまったのだ。

 

 

「埼玉県のモンジューのひ孫さん・・」

キャスターの佐藤美樹さんが一語一語丁寧に、感情を込めて読んでくださり、感動..。

コメントをくださった小堺翔太さん、メッセージを採用してくれた番組スタッフの方にも、(この場を借りて)感謝です!

 

 

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馬券回収率の方は春から調子を上げて、なんとか今年トータル100%越えを維持できている。

そして秋華賞では、オークスの配当全てを史上初の無敗の3冠牝馬の誕生に賭けるつもりである。

【9/6(日)札幌芝の注目馬】・・開幕週に逆戻り??

土曜札幌7レース、7番人気のファインスティールが逃げ切った。

勝ちタイムは、開幕週の同条件(芝2000m/1勝クラス)よりも早かった。

先週は札幌競馬としては珍しく重馬場となり、今週は乾いたとしてもダメージは残る筈で、最終週なら尚更というのが大方の見方だったに違いない。

 

まんまと、その固定観念というトラップに引っかかってしまったのだ。

 

そのファインスティールは馬柱を見て2秒で消した馬である。

というのも、当馬は開幕週に強いテューダーを3重に備えた血統馬なのだ。

 

7レースが終わった後、「しまったな」と思った。昨日の記事である。

札幌2歳Sはまさかのレコード決着でゴルシ産駒は出番無し・・でもおかしくなかったが、◎ユーバーレーベンがあわやの2着に好走してくれた。しかしこれは、明らかに馬のポテンシャルの高さを示すもので、前日予想の難しさを痛感したのは言うまでもない。

 

さあ、日曜が札幌競馬の最終日だ。

もう、開き直って開幕週血統/テューダー波(2/3)を狙い撃ちしよう。

 

先行力と、開幕週実績があれば尚良しだ。

 

【1R】

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トゥーマイフォー

ヴィクトワールピサ媒介

 

デビュー戦は控えたが、横山典騎手に乗り替わりということは・・分かるよね?

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ロゼット

父父キングカメハメハ媒介

 

何故芝1200mデビューだったのかは謎だが、距離延長で先手が取れれば面白い。

今回見せ場無しだとダートに活路を見出すしかなく、重要な一戦だ。

 

【2R】

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ボルゲリ

ロードアルティマ媒介

 

まあ、人気ですから...

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ジオパークマグマ

母父キングカメハメハ媒介

 

開幕週の新馬戦の好走馬。

父父、母父キンカメは該当馬が多いので個々の分析が不可欠だ。

 

【5R】

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アイオープナー

母父タマモクロス媒介

テューダーミンストレルテューダーペリオッド

 

拡大解釈だが、経験上有効だ。

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この辺りが網にかからなければ別の作戦に切り替えたほうがいいだろうが、最終週という固定観念だけは捨てていこう。

 

さて、どうなることやらやら。

【札幌2歳S】◎ユーバーレーベン

昨年に続いて、札幌記念では現5歳世代ハービンジャー産駒が勝った。

(19年、ブラストワンピース/20年、ノームコア)

そのハービンジャー産駒は今年の札幌芝コースで既に7勝を挙げているが、その世代別の内訳はこうだ。

 

7歳世代・・0頭

6歳世代・・0頭

5歳世代・・3頭

4歳世代・・0頭

3歳世代・・2頭

2歳世代・・2頭

 

3年周期による生産年の波に着目すれば、今年の2歳世代のハービンジャー産駒から札幌芝の鬼が出現することは想像に難くない。

・・・

と言った所で、札幌2歳Sにハービンジャー産駒は出てまへん。ほな、さいなら。

 

(ここから先はかなり深い。お子チャマはいつまでもダビスタの延長の血統○○○でも読んでいればいいのさ...)

 

 

「ハービンがいなけりゃゴルシを買えばいいのよ」

パンが無ければ...

 

 

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サラブレッドは父に似ない。しかし、直系統のみが尊ばれる。

何故だろう。

 

そう言う私も、競馬にのめりこんだきっかけは中学生の時に出会ったダビスタである。

それから膨大な時間を血統研究に費やし、「血統とは波だ」という独自の解釈に到った。これが遺伝の本質を捉えているという確信があるから、現実とは程遠いゲームなどには全く興味が無くなってしまったのだ。

 

例えば、当ブログでは頻出のニールガウを考えてみよう。

この祖先馬を血統表の9代祖先や、13代祖先などの1+4代周期に持つと、充実期に好走が続く印象が強い。最近ではリスグラシューがその典型であり、充実期はコース・枠順・展開なども不問だから、よくある平均化された回収率データなどでは好走条件が読み取れない。

 

そのニールガウ(1/4)を、ハービンジャー産駒は持つのだが、さて、ここでゴールドシップである。

 

ハービンジャー

母父父父シーバード

    母父シカンブル

 

ゴールドシップ

母母父母母父シカンブル

 

シカンブルがニールガウの媒介馬であり、両者の丁度6代祖先に当たる。

(ちなみに、オルフェーヴルにはこの共通波は無い。スライリー、ごめん)

 

と、まあ長々と書いてみてもゴルシ産駒は昨年ワンツーだし、大挙5頭出走なのだから、にっちもさっちも行かない。

おまけに眠くなってもきたので、早速結論です!

 

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◎ユーバーレーベン

まず、ゴルシ産駒最上位でしょう。札幌芝は...シメシメ

 

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○ウイングリュック

コスモフォーチュン

 母母母母父父シカンブル

 

対抗はあえてゴルシ産駒では無く、母内に共通波を持つ当馬だ。

函館の未勝利戦を圧勝しているが、札幌で更にパフォーマンスを上げてもおかしくない。

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この2頭で堅いと思っているのだが、現時点で馬連が40倍近くつく。

どうやら、お客さんが来てくれたらしい。

 

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バスラットレオン

母母父ケープクロス

   母母父父父テューダーミンストレル

 

テューダー波(2/3)はヴィクトワールピサ産駒に象徴される「開幕週血統」。

最終週でも好走したら大物だと潔く認めるよ。

 

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ソダシ

クロフネ

 母母父アイスカペイド

 

函館記念のアドマイヤジャスタ(父母父父アイスカペイド)を筆頭に今年の函館芝で好走が目立っていたから、新馬戦のパフォーマンスによる過大評価は禁物だろう。

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疲れたわい。

外れたら、明日も書かな...

【新潟2歳S】◎セイウンダイモス

土曜新潟5R新馬戦、6番人気のモメントグスタールに本命を打った。

 

「打った」というのは、POG-INFOさん(以下敬称略)の予想シミュレーション機能においてだ。後から知ったことだが、このレースでは私を含めて3人が予想を送信していて、3人とも◎が被っていたらしい。他の予想メンバーとの面識などはもちろん無いが、皆、「みんなと同じ予想をするなら競馬をやっている意味がない」と言わんばかりの天邪鬼体質であるに違いないから(失礼!)、珍しいこともあるものだ。

 

そのモメントグスタールが、見事に新馬勝ちしてくれたのである。

 

私は普段から新聞を買わない。

厩舎コメントや調教評価なども一切見ないから、新馬の予想では特に血統頼みになる。

前回の記事でも一部触れたが、新馬戦ではまず父父か母父に1995年産/13年周期種牡馬を持つ馬か、ディープインパクトに代表される2002年産種牡馬の産駒、さらに、プリンスキロを5代祖先に持つ馬をチェックする。後に「新馬戦がベストパフォーマンスだった」と評価されるような条件馬に多く見られる印象の血統要素であるからだ。

 

土曜新潟5Rで言えば、父、母父のみに着目してこれに該当するのは2頭のみだった。

 

モメントグスタール

母父シンボリクリスエス

  父クリスエス

   母父プリンスキロ

 

スペシャトーク

父父スペシャルウィーク1995

 

と、ここまでは出馬表を見渡して10秒足らずの作業である。

競馬予想は将棋やチェスと同じ「頭脳ゲーム」だ。ここから大体5分~10分程度の思考に入る。必要ならば母母父以下、13代祖先まで遡って血統を確認することもある。

・・・

土曜の前半のレースはまだ当週の血統傾向なども掴めていないから、やはり「プリンスキロの5」が決め手となった。

 

 

さて、もう夜も深い。新潟2歳Sの予想だ。

 

まず、新馬戦の勝ち馬で前出の血統要素を備える馬をバッサリ切ってしまおう。

 

 

シュヴァリエローズ

ディープインパクト2002

 

ロードマックス

ディープインパクト2002

 

ブルーシンフォニー

父父グラスワンダー1995

 

ブルーバード

父父スペシャルウィーク1995

 

 

残った人気馬はフラーズダルムジェットアクション、まあこの2頭で決まりでしょう。では、この辺で...

 

 

えっ、セイウンダイモス

 

自作の生産者別データでは、

現2歳世代/3年周期の、マイル戦/距離延長ローテ

の好走実績は遅生まれの馬の割合が高く、適性距離の守備範囲も広い傾向を認められる。(かなり遡るが、安田記念1着のブラックホークマイルCS3着のギャラントアローがこのパターンでレース前は空気だったと記憶している)

 

5月生まれで前走芝1200m未勝利戦の勝ちっぷりが強かった◎セイウンダイモスが好走しても全く驚かない。