【ノーザンF生産馬】今週出走の注目馬・軽視馬
シンプル・イズ・ベスト。
年明けから、増えた独自の生産者別データの加工の試行錯誤に四苦八苦してきたが、ようやく最も有効な方法にたどり着いた。
「直近6週分だけ抽出」である。
血統傾向は同日の午前と午後で一変するくらい水物と言ってもいいが、「生産・育成」が競走馬の土台であるが故に「生産者別の傾向」はその浮き沈みの波のスパンが長い。
とは言え3、4ヶ月というデータの抽出では長過ぎる。これでは多くの傾向が平均化されてデータの意味を失ってしまうからだ。
具体的な例を挙げてみよう。
ダーレージャパンファーム生産馬の芝2000m戦成績だ。
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【昨年・10/5~12/28集計】
3着以内 ・・ 3頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 5頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
3着以内3頭も人気以上の好走や1着馬もなく、明らかに凡走データだ。
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【年明け~2/2集計】
3着以内 ・・ 7頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 1頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
3着以内7頭の内、人気以上の好走が6頭!
1着馬も3頭いて激アツ好走データだ。
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これらのデータは合算してしまえばダーレー生産馬の全体成績の傾向とさほど変わらず、これが平均化の弊害というものだ。
・・さあ行こう。
※データは全てノーザンF生産馬/直近6週分
①キャロットF所属馬/芝1800m戦
/3歳世代/3年周期
/中8週以上のローテ、及び初出走
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3着以内 ・・ 5頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 0頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
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さすがに直近6週でここまで条件を絞ると該当馬は少ないが、好走データとして注目だ。
☆注目馬☆
日曜東京5R
クロトローナ 牝3
日曜東京9R
エリティエール 牝6
②東京ホースレーシング所属馬
/芝1800m以下戦
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3着以内 ・・ 0頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 7頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
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先週の記事でノーザン×レッドの人気馬は堅実と書いたが、東京新聞杯のレッドヴェイロンが惨敗したように直近6週に絞ると散々..。
▼軽視馬▼
土曜小倉11R 芝1200m
レッドベレーザ
日曜小倉8R 芝1200m
レッドパラス
③ダノン○○ & ミッキー○○
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3着以内 ・・ 3頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 6頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 1頭
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3着以内3頭の出走レースはD1800m、芝1800m、芝2400m戦と、1800m/300m周期に偏る。それ以外の条件では全滅。
▼軽視馬▼
土曜京都5R 芝2000m
ダノンセレスタ
これは1番人気確実だろう。そういう私もこのデータが無ければ2秒で軸にしていたが...
枠順確定後、予想するのが楽しみだ。
④3歳&6歳馬/芝1200m戦
/中9週以上のローテ
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3着以内 ・・ 0頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 7頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
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凡走馬7頭の内、5頭が1番人気...
これは強力な消しデータだ。
厳密には今週の該当馬はいないが来週以降も注目していこう。
▼軽視馬▼
日曜小倉11R
ミラアイトーン 牡6
/中8週
ぎりぎり中9週以上ではないのでセーフかもしれないが、人気するなら買いたくない。
⑤5歳馬/芝1200m戦
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3着以内 ・・ 3頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 0頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
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データは少ないが3頭全て人気以上の好走。
☆注目馬☆
土曜小倉11R
アルモニカ 牝5
土曜小倉12R
プリズマティコ 牝5
⑥4歳馬/芝マイル戦
/中9週以上の休み明け
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3着以内 ・・ 2頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 7頭
4、5番人気で7着以下 ・・ 0頭
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生産者別データ作成を始めてから約4ヶ月継続中の最強消しデータだ。
本質的に合わないんだろうなあ...
▼軽視馬▼
土曜東京7R
シャンデフレーズ 牡4
土曜京都11R
ヴァルディセール 牡4
まだまだあるから続きを明日。
【最も美しい血統馬/2017年産】デアリングタクトよ、君だけは本物であれ
昨年から「優駿POG」に参加している。
一般的なPOGとは違い、雑誌で取り上げられた241頭のみがその選択対象となっているのが面白い。その241頭の中にはホープフルSを勝ったコントレイルもいて、仮にこれに皐月賞、ダービーと勝たれたら指名していない自分の上位進出は難しい。
さて、その「優駿POG」では指名馬を10頭選べるのだが、その内の1頭が土曜京都のエルフィンSに出走するデアリングタクトだ。
父のエピファネイアは2020年の種付け料が倍増したように、初年度産駒が好調だ。しかし、これはさすがに相馬眼を持つ馬産地の関係者でもない限り予測できない。現に今後間違いなく名種牡馬として未来の日本競馬を席巻するであろうキズナの産駒は1頭も指名できなかった。
早いもので、ダービーまでのPOG期間も残り4ヶ月だ。
この時点で未勝利の馬はほぼクラシックでノーチャンスと言ってもいいだろう。
つまり、現段階で希望を抱ける馬を指名していること自体が幸運なのだ。
デアリングタクト
父エピファネイア/長谷川牧場
正直なところ、クラシックの脚音が聞こえてくるこの2月に、ここまで期待させてくれるとは想像していなかった。恐らく指名者も少ないだろう。
さて本馬の血統の美しさを語る前に、少し脱線しなければならない。
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ミスターシービーという3冠馬がいた。
1980年産だから、37年前の3冠馬だ。
ディープインパクトの現役時代を知らない競馬ファンも珍しくない時代だから、3冠馬とはいえ知名度は高くないかもしれない。
そういう私も、さすがにミスターシービーの現役時代は知らない。
しかしながら、私が競馬に興味を持った1990年代はまだ雑誌やテレビなどでこの世代の名馬の逸話に触れる機会に恵まれていた。
ミスターシービー 1980年産
父トウショウボーイ 1973年産
母シービークイン 1973年産
父と母は同じ1973年産の内国産馬というだけではなく、新馬戦で同じレースを走っているのだ。母のシービークインにとってこのミスターシービーが初仔で生涯唯一の産駒となったことも相まって「血のロマン」の象徴ともされ、私自身、このような血統表には美しさを感じる。
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「血統ウェーヴ」ではサラブレッドの遺伝と生産年には密接な関係があると定義している。一般的には父と母の血統に同一祖先馬がいるときに「インブリード」や「クロス」と表現するが、個人的にこれを意識して競馬予想をすることは殆ど無い。それよりも、特定の代を遡った複数の祖先馬が同じ生産年で重なるときに、一般的に言う「インブリード」に近い印象を持つことがある。
名馬という、神の匙加減か気まぐれで生まれてくる奇跡のアスリートにも、ときどき、美しい法則性を見出すことができる。
それが、血統である。
血統研究によって馬券で勝利するのは困難かもしれない。
それでもいい。
競馬だけではない。
世の中はつまらない「しがらみ」に負けて、美しいものが淘汰される。
それでもいいのだ。
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デアリングタクト
母シーザリオ (2002)
母キロフプリミエール(1990)
母 Querida (1975)
母デアリングバード
母デアリングハート (2002)
母デアリングダンジグ(1990)
母 ImpetuousGal (1975)
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父母のシーザリオと母母のデアリングハートは2005年の桜花賞で一緒に走り2、3着だった。この時勝ったのはラインクラフトで、産駒を残すことなくこの世を去ってしまった名馬である。ラインクラフトは続くNHKマイルカップも勝ち、この時の2着馬がデアリングハートだった。2002年産の牝馬は繁殖馬として当たり年で、シーザリオの勝ったオークスの2、3着馬も産駒が重賞を勝ち、今後もその枝葉を拡げていくことだろう。
【しがらみデータ】土曜出走の注目馬・軽視馬①
前回の記事の要点をまとめよう。
AノーザンF生産馬の最強消しデータが金子真人H所有馬には該当しない。
BノーザンF生産馬でも、看板馬がマイネルやコスモの厩舎の所属馬は人気薄の期待値が高めだが、同厩舎でも大クラブの所属馬は例外。
これだけで十分なのだよ..
現代日本競馬の本質は「しがらみ」であり、
競走馬に関わる「しがらみの優先順位」を読み解くことが馬券攻略の王道となる。
もはや「血統予想家」など「縄文人」と同列のフレーズでみっともない。今は2020年ですよ..
これが、ここ2ヶ月でとうとうPATの残高を全て使い切った私のたどり着いた境地である。今後は「美しい血統理論」を胸に秘めつつも、「しがらみ予想家」として地道に活動していこう。
さて、A・Bから導かれる「しがらみの優先順位」は、
「所属・所有する大クラブ・大馬主」>「所属厩舎」
であり、さらにその厩舎の「しがらみ」は「看板馬を所属・所有する大クラブ・大馬主、あるいは生産地」によって概ね定義できそうだ。
そして重要なのは「ノーザンF生産」という「しがらみ」などは無いという事実だ。
仮にあるとすれば、所属厩舎がどこであれノーザンF生産馬全体の傾向に沿ったデータが現れる筈で②の説明が付かない。
さあ、前置きはこれ位にしてドンドン行こう。
前々回の記事にも書いたが、今後はデータの正確性などは追及せず、あくまでも「自作のデータを元に推測した仮説」というスタイルで記事を量産していきたいと思う。書式をできるだけ統一して、シンプルに着目した要素のみを記入していく。
①芝2400m戦(直近18週)
当条件はデータが少ないのでそれ程信用はできないが、まずは足慣らしだ。
【st:シルクR】
(優先1:シルクR所属)
(優先2:厩舎の看板馬がシルクR所属)
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☆☆好走データ☆☆
4・7歳世代/中4週以上
3・6歳世代/中4週以上
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▼凡走データ▼
5歳世代
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☆☆注目馬☆☆
■■■■【東京10R】■■■■
サトノラディウス 牡4 国枝厩舎
/中6週
ヴァンクールシルク セ6 シルクR
/中13週
■■■■【東京6R】■■■■
ベリンダアン 牡3 大竹厩舎
/中6週
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▼軽視馬▼
■■■■【東京10R】■■■■
タンタフエルサ 牡5 国枝厩舎
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【st:キャロットC】
(優先1:キャロットC所属)
(優先2:厩舎の看板馬がキャロットC所属)
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▼凡走データ▼
/ハリーオン4/4
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▼軽視馬▼
■■■■【東京10R】■■■■
アランブレラ キャロットC 尾関厩舎
/母父母父リファール
/ハリーオン4/4
■■■■【東京6R】■■■■
ハーツシンフォニー 戸田厩舎
/ハーツクライ産駒
/ハリーオン4/4
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続きを明日の深夜までにできるだけ。
【ノーザンF生産馬】最も好走率の高い「しがらみ」をさがせ!
コツコツと自作している生産者別データが直近18週分まで増えた。
データの抽出対象は、
生産者リーディング(2019年/勝ち数)34位以内の生産馬
①3着以内
②3番人気以内で4着以下
③4、5番人気で7着以下
に絞っているが、この好走・凡走データの延べ頭数が3000を超えた。
その内訳は、
①3着以内 ・・ 1883頭
(内、3番人気以内) ・・ (1076頭)
(内、4、5番人気) ・・ (383頭)
②3番人気以内で4着以下 ・・ 978頭
③4、5番人気で7着以下 ・・ 431頭
データ全体の要点をまとめると、
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3番人気以内の馬券圏内率 ・・約52%
4・5番人気の好走・凡走比 ・・約1:1
3着以内馬の穴馬率
(6番人気以下) ・・約22%
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これを基準としよう。
さて、ノーザンF生産馬に限定してみる。
【ノーザンF生産馬】
①3着以内 ・・ 582頭
(内、3番人気以内) ・・(423頭)
(内、4、5番人気) ・・ (86頭)
②3番人気以内で4着以下 ・・ 353頭
③4、5番人気で7着以下 ・・ 127頭
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3番人気以内の馬券圏内率 ・・約54%
4・5番人気の好走・凡走比 ・・約2:3
3着以内馬の穴馬率
(6番人気以下) ・・約12%
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人気馬の信頼度は全体とさほど変わらず、4番人気以下の期待値は下がる。
穴馬を探すよりも、「逆らえない条件」で長いものに巻かれるのが賢明ということか。
更に踏み込んでみる。
所属クラブ、馬主別のデータだ。
【キャロットC】
/ノーザンF生産馬
①3着以内 ・・ 84頭
(内、3番人気以内) ・・ (55頭)
(内、4、5番人気) ・・ (14頭)
②3番人気以内で4着以下 ・・ 52頭
③4、5番人気で7着以下 ・・ 13頭
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3番人気以内の馬券圏内率 ・・約51%
4・5番人気の好走・凡走比 ・・約1:1
3着以内馬の穴馬率
(6番人気以下) ・・約17%
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ノーザンF生産馬全体よりも4番人気以下の期待値は高い。
【サンデーR】
/ノーザンF生産馬
①3着以内 ・・ 101頭
(内、3番人気以内) ・・ (75頭)
(内、4、5番人気) ・・ (12頭)
②3番人気以内で4着以下 ・・ 52頭
③4、5番人気で7着以下 ・・ 21頭
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3番人気以内の馬券圏内率 ・・約59%
4・5番人気の好走・凡走比 ・・約1:2
3着以内馬の穴馬率
(6番人気以下) ・・約13%
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キャロットCと比較すると人気馬の信頼度が高く、明らかに4番人気以下の期待値が低い。
【シルクR】
/ノーザンF生産馬
①3着以内 ・・ 75頭
(内、3番人気以内) ・・ (54頭)
(内、4、5番人気) ・・ (10頭)
②3番人気以内で4着以下 ・・ 46頭
③4、5番人気で7着以下 ・・ 11頭
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3番人気以内の馬券圏内率 ・・約54%
4・5番人気の好走・凡走比 ・・約1:1
3着以内馬の穴馬率
(6番人気以下) ・・約14%
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人気馬の信頼度はノーザンF生産馬全体とほぼ同じで、4番人気以下の期待値がやや高いが強調できる程ではない。
と、ここまでは特に面白くない。
お楽しみはこれからだ。
【東京H】
/ノーザンF生産馬
①3着以内 ・・ 21頭
(内、3番人気以内) ・・ (19頭)
(内、4、5番人気) ・・ (2頭)
②3番人気以内で4着以下 ・・ 10頭
③4、5番人気で7着以下 ・・ 5頭
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3番人気以内の馬券圏内率 ・・約65%
4・5番人気の好走・凡走比 ・・約1:2
3着以内馬の穴馬率
(6番人気以下) ・・ 0%
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ノーザンF生産のレッド○○の人気馬の信頼度は高い。
逆に、人気薄の好走は皆無だ。
【金子真人H】
/ノーザンF生産馬
①3着以内 ・・ 24頭
(内、3番人気以内) ・・ (20頭)
(内、4、5番人気) ・・ (4頭)
②3番人気以内で4着以下 ・・ 10頭
③4、5番人気で7着以下 ・・ 7頭
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3番人気以内の馬券圏内率 ・・約66%
4・5番人気の好走・凡走比 ・・約1:2
3着以内馬の穴馬率
(6番人気以下) ・・ 0%
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
奇しくも、レッド軍団とほぼ同じ。人気馬を信頼しよう。
先週土曜京都10RでノーザンF生産のボッケリーニが1番人気に応えて快勝した。
しかし当該条件である、
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現4歳世代/芝マイル戦/休み明け(中9週以上)
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のノーザンF生産の1番人気馬はなんと9戦連続で馬券外の最強消しデータだった。この状況下で快勝したのが他でもない、金子真人オーナーのボッケリーニだったというわけだ。
やっぱりこの「しがらみ」が最強なのね..
「しがらみ」って、いい意味でね..いい意味だよ..
【ダノン&ミッキー】
/ノーザンF生産馬
①3着以内 ・・ 12頭
(内、3番人気以内) ・・ (11頭)
(内、4、5番人気) ・・ (1頭)
②3番人気以内で4着以下 ・・ 16頭
③4、5番人気で7着以下 ・・ 4頭
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3番人気以内の馬券圏内率 ・・約40%
4・5番人気の好走・凡走比 ・・約1:4
3着以内馬の穴馬率
(6番人気以下) ・・ 0%
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直近4ヶ月のデータでは全ての項目で基準を下回る「しがらみ」だ。
と、ここまでは前置きじゃ..
ここからがdeep。
厩舎別のデータを扱うが、あくまでも普通ではない。
厩舎を「しがらみ」によって仕分けする。
着目したのは現役所属馬で最も賞金を稼いでいる馬。
この生産者・オーナーを厩舎の「しがらみ」と定義する。
例えば厩舎の看板馬がビッグレッドFやコスモヴューFの生産馬ならば、この厩舎のしがらみは「岡田繁幸氏」である。それから、「しがらみ」という言葉は悪い意味で捉える人が大半だろうから、今後はストリングスの略でstと表記して、個人名はできるだけ避けたい。
では早速データを紹介しよう。
【厩舎(st:OS)】
/ノーザンF生産馬
(前出のクラブ所属馬は含まず)
①3着以内 ・・ 21頭
(内、3番人気以内) ・・ (15頭)
(内、4、5番人気) ・・ (2頭)
②3番人気以内で4着以下 ・・ 11頭
③4、5番人気で7着以下 ・・ 2頭
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3番人気以内の馬券圏内率 ・・約57%
4・5番人気の好走・凡走比 ・・約1:1
3着以内馬の穴馬率
(6番人気以下) ・・ 19%
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんと、全ての項目でノーザンF生産馬全体の基準を上回った。
しかしこれは、前出の4つのクラブの所属馬を除いたデータだ。
ノーザンF生産馬の「階層性」を考えれば決して高くない。
では、逆に前出の4つのクラブの所属馬のデータを見てみよう。
【厩舎(st:OS)】
/ノーザンF生産馬
(前出のクラブ所属馬)
①3着以内 ・・ 11頭
(内、3番人気以内) ・・ (9頭)
(内、4、5番人気) ・・ (1頭)
②3番人気以内で4着以下 ・・ 7頭
③4、5番人気で7着以下 ・・ 6頭
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3番人気以内の馬券圏内率 ・・約56%
4・5番人気の好走・凡走比 ・・約1:6
3着以内馬の穴馬率
(6番人気以下) ・・ 9%
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人気馬の信頼度は変わらないが、明らかに4番人気以下の期待値が低い。
これは複数の「しがらみ」の相性によって起こる現象だと推測できる。
要するに、「しがらみ」の優先順位だ。
同じノーザンF生産馬でも、看板馬がマイネルやコスモの厩舎の所属馬は人気薄による期待値が高まるが、同厩舎でも大クラブの所属馬はオーナーサイドのしがらみの方が強く例外だ。
今回紹介したのは距離/世代/ローテなどを一切無視したデータだが、当然これらの条件別の「しがらみデータ」は作成済みだ。
今週はこれを活用したdeepな注目馬・軽視馬をできるだけ多くピックアップしていきたい。
【中山11RフェアリーS】◎スマイルカナ
日曜京都6Rのリベンジは後回しにして、素直に重賞予想を書こう。
【フェアリーS】
①キングカメハメハ産駒の
前走/東京芝1400m戦・1着馬の成績
2018年以降、キングカメハメハ産駒の芝1400m以下戦の全13勝の内、実に半数近い6勝が東京芝1400m戦だ。
さらに2015年まで遡れば、東京芝1400m戦を勝ったキングカメハメハ産駒は延べ10頭いるが、その次走を勝利したのは当コースを5馬身差で圧勝して次走も同距離の芝1400m戦だったトゥザクラウン1頭のみ。人気より下の着順が目立ち、この臨戦過程に信頼は置けない。
▼軽視馬▼
アヌラーダプラ
/父キングカメハメハ
/前走・東京芝1400m戦・1着
ゆくゆくは芝1200m路線で走っている気がする..
このところ当ブログの注目馬・軽視馬が逆噴射気味だが、徐々に傾向が見えてきた。
「2001年産種牡馬の産駒はデータを逆走する」
生産者別データを作っていると、消しデータで好走している馬や、逆に鉄板データで凡走している馬にはハーツクライ(2001)、ダイワメジャー(2001)、ブラックタイド(2001)の産駒が多いことに気付く。キングカメハメハも2001年産だが、今回のデータはそもそもキンカメ産限定データだから素直に軽視して大丈夫だろう。
②リボーを4代/7代祖先に備える馬の適性
1990年代からの血統ファンならご存知だろうが、「ブライアンズタイム産駒の叩き3戦目」という格言があった。有馬記念など中山芝重賞において産駒が数々の実績を残したブライアンズタイムだが、その活力源はリボーの3代隔世遺伝によるところが大きいと解釈している。
★注目馬★
スマイルカナ
/母内7代祖先にリボー
(キートゥーザミント~グロースターク媒介)
/叩き3戦目
前走が絶好の狙い目だったんだけどね..
今回もスムーズに先行できれば圏内だろう。
ポレンティア
/母内7代祖先にリボー
(ホイストザフラッグ媒介)
叩いたほうがベターだろうが、好枠を引いて侮れない。
現時点では思ったより人気していないが、ハーツクライ(2001)産駒だけに何かネガティヴなデータがある方が逆に妙味がありそうだ。直前のオッズを確かめたい。
セイウンヴィーナス
/母内7代祖先にリボー
(母父ダンスインザダーク内キートゥーザミント~グロースターク媒介)
赤松賞はスマイルカナに先着の6着だが、瞬発力勝負が合わなかった印象。
人気程の差は無い。
ウィーンソナタ
/父内7代祖先にリボー
現在ブービー人気。好枠と叩いた効果でどこまで太刀打ちできるか。
【京都5R3歳未勝利】
もう当たるまで3歳新馬・未勝利戦の予想記事を真面目に書いていこう。
①ダーレージャパンF生産馬の直近成績
【直近14週の芝1800m以下戦】
3着以内24頭(延べ頭数)の内、1着がなんと16頭!!
しかしながら、そのローテ別では15頭が中4週以上の間隔が開いており、中3週では芝1400m戦による1勝のみ。
▼軽視馬▼
サマービート
/中3週
休み明けでダーレーの主戦ビュイック騎乗の前走が勝負気配で今回の上積みは疑問だ。
②「2001年産種牡馬の産駒」は
内枠&奇数番枠で好走する
▼軽視馬▼
エブリワンブラック
/父ブラックタイド(2001)
/6枠12番
そもそも父ブラックタイドは種牡馬としてはオペラハウスの様なホームランバッターだろう。キタサンブラックの全弟といっても当然ながら能力が担保されているわけではない。
③昨年秋の京都芝好走馬
★注目馬★
ファルコニア
こちらは人気でも仕方ないだろう。
グリーンハイパワー
穴人気するかな..
④・・・勘
★注目馬★
特筆するべきデータは持ち合わせていないが、3日目の勘だ。
(週またいでまたリベンジかな?)
生産「地」別の主戦騎手を探せ!
今年から生産者別データの対象をリーディング(2019年勝ち数)の34位までに大幅拡張したのだが、細かすぎて上手く活用しきれない。もっと抽象的に把握できないものかと試行錯誤した末、「生産地で分ける」という方法に落ち着いた。
具体的には、日高地区の生産馬を
「日高産」
「新冠産」
「新ひだか産」
「浦河産」
の4つに分けるというものだ。
まだ直近14週分のデータを分析したに過ぎないが、面白いことに競走馬には生産「地」別に明らかな適性や特徴の偏りが見られる。現在の日本の生産界はノーザンFが席巻していて社台グループ全体で年間1000勝を超えるが、JRAの年間レース数は約3400レースもあるのだから、残る2000レース以上の大部分を日高地区の生産馬が勝っていることになる。この分析を疎かにするわけにはいくまい。
さて、前回の記事で『ノーザンF生産馬の「階層」を起用騎手で読み解く』という試みを書いたが、今回もこのロジックが重要になる。
改めて書くと、「生産馬の階層」という概念には大きく分けて2つの捉え方があると考えている。
①育成時における「階層」
血統背景やオーラなどから特別な期待をかけられる素質馬は、工業製品に例えるならば「細かい仕様までこだわったオーダーメイド」だ。ノーザンF生産馬ならデビュー戦からルメール騎手が手綱を取り続ける馬や、2歳時に預託される厩舎などから推測することもできる。噛み砕いて言えば「前評判」だ。
当ブログでは、主に条件クラスに吹き溜まる(失礼)ノーザンF育成「階層」上位の馬たちの消しデータを探すことに尽力していきたい。
②レース内における「階層」
昔の言い回しを使えば「勝負気配」だ。素質だけではなく「調子」や「相手関係」によって入れ替わるそのレース単体における「階層」である。これは騎手の起用法で大体読むことが可能だ。G1レースのような頂上決戦ではそのままそのカテゴリーにおける「階層」を意味する。(昨年末の有馬記念のフィエールマンの乗り替わりは露骨過ぎたが..。)
この場合も、「階層」上位の馬の消しデータを見つけてこそ当ブログの真骨頂であると心得ている。
さて、前置きが長くなったが今回のテーマはずばり『日高地区の生産馬のレース内における「階層」を騎手の起用法で読み解く』である。
当然ながら、ノーザンF生産馬の主戦であるルメール騎手や川田騎手、短期免許の助っ人外国人たちは日高生産馬の主戦とはなり得ない(勿論、馬個体で捉えれば例外もあるが)。それ程にノーザンの質と量が他を圧倒しているのだ。
<浦河産>
(三嶋牧場、杵臼牧場、高昭牧場、富田牧場etc)
直近14週では、幸英明騎手の成績がズバ抜けている。
浦河産/生産者L34位以内集計/直近14週の延べ頭数
<幸騎手>
3着以内 ・・14頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 2頭
4・5番人気で7着以下 ・・ 2頭
幸騎手と言えば地方交流G1を9勝したホッコータルマエだが、当馬は浦河の市川ファーム生産だ。
これはもう、完全に「浦河のルメール」状態である。
ちなみに、そのルメール騎手の同期間の浦河産馬の騎乗成績は、
3着以内 ・・ 2頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 1頭
4・5番人気で7着以下 ・・ 0頭
短期免許の外国人騎手合算でも、
3着以内 ・・ 4頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 5頭
4・5番人気で7着以下 ・・ 1頭
であるから、改めてその凄さがわかる筈だ。
当ブログでは今後、浦河産馬における幸騎手の好走/凡走条件を追いかけていこう。
(続きを明日書ければ。)
ノーザンF生産馬の階層性を考える
生産者別分析もデータが増えてくると解釈が難しくなってきた。
これまで主に血統・世代・ローテに着目して活用してきたが、それだけでは好走・凡走の線引きが上手くできない条件が目立ってきたのだ。
「まずいな..」
正月開催を終えて、もう一度真剣に自作のデータと向き合う覚悟ができた。
発想というのは、どこからやってくるものなのか分からない。
「もう遅いから寝よう」と部屋を暗くして布団には入るが、当然すぐに眠れる筈もなく、頭の中で生産者別データがグルグルと回り続ける。
突然、
「!」..と閃いて起き出し再びパソコンの前に座る。数分後、また布団の中に戻る。
「!」
「!!」
それを何度か繰り返した後、暗闇の中で光るディスプレイに映し出されたのは自作の生産者別データを「騎手」でソートし直したものだ。
「手応えアリ..」
ここまでくれば、あとは仕事中でも何でもお構いなく発想の「発酵」は進んでいく。
『生産者別データを「騎手」でソートすれば、生産馬の階層性が見えてくる。』
現在、ノーザンF生産馬のファーストドライバー(主戦)がルメール騎手であることは明白だ。
もはやダービーを狙える素質馬なら育成の段階でルメール騎手を意識していても不思議はない(寧ろしなければプロフェッショナルの仕事とは言えないだろう)。例えば、このような「ルメール仕様のオーダーメイド」と言っても過言ではない特別な素質馬と他の馬を同じ「ノーザンF生産馬」と一括りにしていること自体が間違っていたのだ。
では、実際のレースで検証してみよう。
先日の1/6(月)の中山最終レース。
1番人気はノーザンF生産馬のヴァンランディで単勝オッズは1.9倍だった。
当該条件である、
ノーザンF生産馬
/明け4歳世代/芝2000m戦/休み明け(中9週以上)
の直近13週の成績(延べ頭数)は、
3着以内 ・・ 6頭
3番人気以内で4着以下 ・・ 3頭
4・5番人気で7着以下 ・・ 1頭
であるから、鉄板とは言えないが、そこまで危険な香りもしない。
しかし、ここで前述の「階層性」に着目すれば衝撃のデータが浮かび上がる。
まず、凡走した4頭の騎手はシュタルケ、ルメール、ルメール、川田将騎手である。
それに対して3着以内の騎手で最もリーディング(2019)上位なのは戸崎騎手(5位)で、他は軒並み10位以下の騎手である。
要するにこの条件下では、同じノーザンF生産馬でも起用騎手で読み解く「階層」が高い程、危ない人気馬だったということだ。
ちなみに、当レースでマーフィー騎乗のヴァンランディは4着に敗れている。
(明日、続きを書ければ)